二階堂ふみ、『紅白歌合戦』司会への頼もしさ 朝ドラ『エール』を引っ張ったエネルギー

二階堂ふみ、『紅白』司会への頼もしさ

 二階堂ふみが、『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)で紅組の司会を務める。

 4月から11月という異例の長さでの放送となった朝ドラ『エール』(NHK総合)。新型コロナウイルスの影響による撮影の中断や、何が起こるかわからないような状況の中、即効性を求められた現場で、全くうろたえず、作品の中では、どんどん頼もしさを増してく存在だったのが、二階堂が演じた古山音だった。

 そんな『エール』の二階堂について、ライターの田幸和歌子氏は「あの若さと思えないくらいの貫禄もあって、すごく度胸がある人」と評する。

「窪田正孝さんが演じた主人公の古山裕一は、ずっと少年の心を持っているようなキャラクターで、そんな彼をリードしているのが奥さんの音でした。音はものすごくエネルギーに満ちている女性で、彼女の存在は後半になるにつれて、どんどん大きくなっていきました。最近の朝ドラは、何かを成し遂げた実在の人物を主人公にすることが多いので、裕一が軸の物語ではありましたが、二階堂さん自身のエネルギーが音に投影されていて、紛れもなく音にも主人公としての華やかさが感じられました」

 田幸氏は、二階堂が芝居で見せる、歳を重ねる姿も突出していたと語る。

「音を演じる子役からのバトンタッチが非常にスムーズでしたし、可憐な少女時代から、年を重ねていくグラデーションが巧みに表現されていました。単に加齢の表現だけじゃなく、中高年になってからは不思議なぐらい音の母・光子を演じた薬師丸ひろ子さんに似ていくんです。人間の自然な変化を見る感じで、佇まいや声色、声のトーンから喋りのスピードまで、どんどん落ちついた中年の女性になっていって、薬師丸さんと重なっていました」

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