King&Prince 高橋海人、実は熱い努力の人? 『姉ちゃんの恋人』の“優しさ”と“強さ”の象徴に

実は熱い努力の人

 高橋海人は俳優として演技をするのが『姉ちゃんの恋人』で3回目。プライムタイムの連続ドラマ出演は今回が初となる。

 デビュー作のドラマ『部活、好きじゃなきゃダメですか?』(日本テレビ)では、実力はあるのに部活が嫌いでいつもサボろうとするサッカー部員を演じていた。オープニングの熱血なマンガの世界と、ダルそうな現実の落差が毎回最高だったが、最後の最後で相手チームに馬鹿にされた仲間のために少しだけ本気になる展開が胸アツだった。演技初挑戦だった高橋は、「こんなに素敵で楽しい世界が芸能界にあったんだ!」と衝撃を受けたという。

 2作目が、映画化もされた『ブラック校則』(日本テレビ)。不登校になったヒロインのモトーラ世理奈のため、ブラック校則を変えようとする主人公の佐藤勝利に協力するトリッキーな親友役だった。ドラマの中では達者なラップも披露している。高橋は本作の撮影もとても自由で楽しかったと振り返っている。

 奔放で、掴みどころがないが、いざというときは仲間(どちらも一途で真面目な主人公)のために立ち上がる熱さを秘めているという役柄が共通していた。それぞれ吉田鋼太郎、光石研といった名バイプレイヤーのサポートを得ているところもポイントだ。

 3作目となる『姉ちゃんの恋人』では、姉を思う弟、年上の女性に恋する大学生、ナレーターと3つの側面を持つ難しい役に取り組んでいる。これまでの役柄とは複雑さが明らかに増しており、ピュアで明るく誰とも気軽に接する和輝の性格は他人と距離をとりがちな高橋自身の性格とも真逆らしく、苦労が絶えないようだが、努力と根性で食らいついている。林遣都の過去の作品を観た上で話を聞くという勉強熱心さも買われていて、林から多くのことを学んでいるという。

 脚本の岡田惠和は“同志”と呼ぶ有村架純を筆頭に、『姉ちゃんの恋人』にも出演している和久井映見、光石研、やついいちろうなどいわゆる常連の俳優が少なくない。林遣都は連続ドラマ初出演だった『小公女セイラ』以来11年ぶりの岡田脚本作品への出演だが、今回の役は彼のために当て書きされている。

 高橋海人もまた、今後そうなる可能性を十分秘めている。岡田は高橋が主演した『ブラック校則』を2019年のベストの一本に挙げており、『姉ちゃんの恋人』での高橋の演技が「大好き」で、「いつか主演で連ドラとか映画をやるのが夢」とも語っていた(『岡田惠和 今宵、ロックバーで』10月25日)。とても単なるリップサービスとは思えない。

 ラジオでファンに向かって「俳優という職業が素敵だということも気づいてしまいました」と宣言した高橋海人。ふわふわした印象を持たれることが多かった高橋だが、実は熱い努力の人。『姉ちゃんの恋人』が俳優としての飛躍のきっかけになるのは間違いなさそうだ。

※高橋海人、高橋優斗の「高」はハシゴダカが正式表記。

■大山くまお
ライター・編集。名言、映画、ドラマ、アニメ、音楽などについて取材・執筆を行う。近著に『バンド臨終図巻 ビートルズからSMAPまで』(共著)。文春オンラインにて名言記事を連載中。Twitter

■放送情報
『姉ちゃんの恋人』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00~放送
出演:有村架純、林遣都、奈緒、高橋海人(King & Prince)、やついいちろう、日向亘、阿南敦子、那須雄登(美 少年/ジャニーズJr.)、スミマサノリ、井阪郁巳、南出凌嘉、西川瑞、和久井映見、光石研、紺野まひる、小池栄子、藤木直人ほか
脚本:岡田惠和
音楽:眞鍋昭大
主題歌:Mr.Children「Brand new planet」(TOY’S FACTORY)
演出:三宅喜重(カンテレ)、本橋圭太、宝来忠昭
プロデュース:岡光寛子(カンテレ)、白石裕菜(ホリプロ)、平部隆明(ホリプロ)
制作協力:ホリプロ
制作著作:カンテレ
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/anekoi/
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