国民的猫型ロボットが落ちこぼれであることを思い出したい『STAND BY ME ドラえもん2』

国民的猫型ロボットが落ちこぼれであることを思い出したい『STAND BY ME ドラえもん2』

 子供の頃、のび太のことを羨んだ人は多いだろう。どんな困難に降りかかられても、彼の隣にはいつだって青くて丸みを帯びたフォルムの相棒がいたからだ。私も欲しかった。決してあの“四次元ポケット”が欲しかったわけではない。私たちはいつも、どんなに自分がダメダメでも隣に居続けてくれる“ドラえもん”が欲しかったのだ。

 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」』の凄まじい人気っぷりに初週1位にこそならなかったが、公開3週で2位の座を守り続けている『STAND BY ME ドラえもん 2』。前作直後の出来事として、結婚式当日の騒動を名作エピソード「おばあちゃんのおもいで」や「ぼくの生まれた日」を織り交ぜて描いている。本作では、いつにも増してドラえもんのポンコツっぷりが激しい。しかし、その様子は彼が完全な存在ではないことを改めて我々に思い出させるものだった。コミック連載開始から50周年、徐々に変化を遂げていったドラえもんというキャラクターについて、この機会に改めて振り返ってみたい。

ドラえもんは落ちこぼれロボだった

 まずはドラえもんの原点に立ち返ろう。彼は旧設定(てんとう虫コミックス11巻掲載『ドラえもん百科』)と新設定(映画『2112年 ドラえもん誕生』)で生い立ちに少し違いがあるが、一貫してロボットとして「不良品」なのだ。旧設定では製造後の検査で人間に近いと判断され、ジャンクに。新設定では製造中に落雷を受け、ネジが一本外れて生産ラインから落ちてしまう。この後遺症のせいで彼は周りのロボットに比べて劣り、養成学校でも特別クラスに編入する落ちこぼれ街道を歩んでいく。

 ネズミに片耳をかじられて、病院に行ったら行ったで逆に両耳を失うはめになる。ツルピカのハゲになったことを憂い「元気の素」を飲んで立ち直ろうとするも、うっかり「悲劇の素」を飲んで三日三晩泣いた結果、全身が真っ青になってしまう。そう、のび太に出会う前のドラえもんは、彼自身がのび太と言っても過言ではないほど、不注意や悪運に見舞われるドジなロボットだったのだ。

 そしてひょんなことをきっかけにのび太の孫の孫であるセワシくんに拾われ、彼を幸せにするため、不幸の元凶である最も出来の悪い先祖・のび太のもとへ向かう。漫画第1話ではジャイ子と結婚し、大学入試も就職活動も失敗。自ら起業する(!)も5年で会社が火事で丸焼け。その2年後には会社が潰れ、借金取りに追われる日々を送るのび太の未来が明かされる。ドラえもんは、つきっきりでのび太のこの恐ろしい運命を変えようと言うのだ。しかし、彼は決して出来た人間……いや、ロボットではないということを忘れてはいけない。

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