林遣都の心は開かれるのか? 『姉ちゃんの恋人』動き出したそれぞれの不器用な恋

 クリスマスの飾り付けを終えた帰りに、一緒にファミリーレストランで朝食を食べる桃子(有村架純)と真人(林遣都)。バーで偶然知り合い、職場でばったり再会を果たした日南子(小池栄子)と悟志(藤木直人)。そしてみゆき(奈緒)が初恋の人であることを告げる和輝(高橋海人)と、一気に三者三様、もとい六者六様の恋模様が動き始めた11月10日放送の『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)第3話。

 互いの健闘を称え合いながら家路に就いた桃子と真人だったが、桃子は別れ際の真人の「また」の一言から、彼が人を寄せ付けない、“なにかを諦めている”のではないかと感じるように。そんななか、真人の母・貴子(和久井映見)はホームセンターを訪れ、真人が運んだもみの木を見て思わず涙。偶然通りかかった桃子に声をかけられる。一方、悟志との出会いに運命を感じた日南子は、どうデートに誘おうかと悩んだ結果、真人に恋をしている桃子にグループデートを持ちかけるのである。

 先週のエピソードでは、桃子が高校時代に目の前で両親が車に撥ねられて亡くなったという過去が明らかになったわけだが、今回はごくわずかのシーンでありながらも、真人の過去の秘密が触れられることに。仕事中に荷物が落ちてきて怪我をした真人は、病院のベンチでひとり、怪我をした手を眺めながらあることを思い出す。それは、血のついたスーツ姿で、手錠をかけられて連行された時の記憶。これまで描かれていた、突如襲う手の震え。そして貴子からかけられた「いいんじゃないかな、もう」という言葉は、真人がずっと自身の犯した何らかの罪に囚われているという表れに他ならない。

 その具体的な事柄はまだ明らかにされなかったが、それはもしかすると、真人と貴子の親子に共通してある“クリスマス”への思いに通じるものなのか。それとも何らかのかたちで桃子の過去と結びついてしまうのではないかという可能性も、まだ捨てきれない。いずれにしても、今回桃子との帰り道の会話で何気なく出てきた「お酒は飲まない」という言葉が妙に気になったということだけは記しておきたい。桃子にはみゆきが、弟たちには菊雄(光石研)と、それぞれに悩みを打ち明ける相手がいるなかで、貴子にすら自分を押し殺している真人の心を、桃子がどのように解していくのか。それがこの恋路のカギというわけだ。

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