煉獄さんの一騎当千の活躍を見届けよう! TVアニメからさらなる進化を遂げた劇場版『鬼滅の刃』
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、Kindleで漫画を買いすぎて請求に頭を抱えている安田が、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』をオススメします。
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』
TVシリーズ放送終了から1年。劇場版として『鬼滅の刃』が帰ってきました。この1年でもはや説明不要な国民的人気シリーズへと変貌を遂げた本作ですが、それだけにこのコロナ禍で冷え込む日本映画界のカンフル剤となってくれるのではと各所から注目を集めています。
劇場版は、昨年9月末に放送されたTVアニメ最終話「新たなる任務」から繋がる物語です。炭治郎たちが任された新しい任務は、炎柱・煉獄杏寿郎とともに短期間のうちに40名以上の行方不明者を出しているという“無限列車”の捜索。先に送りこまれた仲間の剣士も全員消息を絶ったという謎の多い事件に挑みます。
何を語ってもネタバレになりそうで、まずは劇場で観賞いただきたいのですが、注目すべきは、やはり本作で主役級の活躍をする煉獄杏寿郎。炎の呼吸を使用する炎柱として、TVアニメ第22話「お館様」から本格的に登場しましたが、本編では戦闘シーンや炎の呼吸を使用する描写は描かれませんでした。そんな煉獄さんが劇場版ではスクリーンを縦横無尽に駆け巡ります。炎の呼吸も、水の呼吸の浮世絵的な表現とは異なり、赤と黄色を基調とした鮮やかな表現へと昇華され大迫力。まさしく劇場で鑑賞するべき作品に仕上がっています。
本作で炭治郎たちに相対するのは、鬼の始祖・鬼舞辻無惨から、新たな力を与えられた“下弦の壱”魘夢。夢を操る能力で炭治郎たちを精神から攻撃していきます。無限列車の中はどこかホラー調のおどろおどろしい雰囲気ですが、描かれる夢世界はバリエーションに富んでいます。原作を読んだときは、この物語を劇場版で描くと終始陰鬱な雰囲気の作品になるのではと危惧したものですが、夢の世界では、それぞれコミカルな小芝居や温かみに溢れた人間ドラマが展開され、ほっこりする要素でもあります。