二階堂ふみは朝の活力を与えてくれる 『エール』後半戦ではシリアスな演技も?

 本放送の第13週まででも、二階堂は多彩な表情を見せてくれている。豊橋にやってくる裕一と対面し嬉しさを隠せずにいる愛らしい顔、見合い相手の夏彦(坂口涼太郎)や、三郎(唐沢寿明)など自分のポリシーを傷つけられた相手に見せる猛々しい表情。時には、母親として生きるか歌手への道を進むか迫られ、弱さを見せたこともあった。そんな人間味溢れる演技で、朝の15分間に活力を与えてくれるのが二階堂という存在。ライブ感を大切にする演出・吉田照幸との相性の良さも多分にあるのかもしれない。

 期待したいのは今後突入していく戦争パート。二階堂は朝ドラのヒロインオーディションを受けたきっかけに「沖縄戦を体験している自分の祖母をはじめ、その時代を生きてきた人たちの思いを大事にしたい」(『連続テレビ小説 エール Part1』より)と話しており、よりシリアスな彼女の演技が本領発揮となるだろう。オーディションで「長崎の鐘」を歌い、感情がどんどん入っていくという体験をした二階堂(公式サイトインタビューより)。今後、我々はまだ出会ったことのない音、二階堂ふみを目の当たりにするのかもしれない。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)予定
※6月29日より第1回から再放送中
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

関連記事