吉谷彩子がお仕事ドラマで引っ張りだこ!? 『陸王』から『ハケンの品格』までの飛躍

 そして、日曜劇場の2作を経ての『ハケンの品格』への抜擢である。今回の役柄は、派遣契約が切られることを恐れて、なかなか自分を出すことができない派遣社員の役。周りに気を遣い、任されていること以上に、会社に貢献しようと健気に奮闘する姿に、つい応援したくなるような人柄だ。

 第1話では、いきなり彼女が軸となる話が繰り広げられた。人事部の墨田(松尾諭)からセクハラを受ける亜紀は、周囲には打ち明けられずに我慢の日々を過ごしていた。その一部を目撃した後輩の小夏(山本舞香)が、人事部にその件を報告するも、亜紀の方から誘惑したのではないかとあらぬ疑いをかけられるのだった。


 怒りを前面に出し切ることができず、悔しさを静かに抱えながら、涙を浮かべる吉谷。その表情からは、彼女の会社に対しての思いがひしひしと伝わってきた。以降は春子を慕うようになり、1シリーズで加藤あいが演じていた森美雪を彷彿とさせる人物像だ。

 また、小夏とのシーンでは、時にお姉さんのように頼られる存在でありながら、同期のような気さくなやりとりが繰り広げられる。立ち位置を自由自在にコントロールすることができるのも、彼女の手腕があってこそだろう。

 新たな役を演じる度に引き出しを増やし、役に溶け込んでいく吉谷彩子。今後も目が離せない。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

■岡田拓朗
関西大学卒。大手・ベンチャーの人材系企業を経てフリーランスとして独立。SNSを中心に映画・ドラマのレビューを執筆。エンタメ系ライターとしても活動中。TwitterInstagram

■放送情報
『ハケンの品格』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜23:00放送
出演:篠原涼子、小泉孝太郎、勝地涼、杉野遥亮、吉谷彩子、山本舞香、中村海人(Travis Japan)、上地雄輔、塚地武雅(ドランクドラゴン)、大泉洋(特別出演)、伊東四朗
脚本:中園ミホほか
演出:佐藤東弥、丸谷俊平
プロデューサー:櫨山裕子、山口雅俊、秋元孝之
チーフプロデューサー:西憲彦
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ

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