『ハケンの品格』杉野遥亮、細かい芝居で“かっこ悪さ”を体現 次週から大泉洋が本格登場か

 SNSでの炎上、2000万円問題、社員の副業など今週も時事ネタを取り入れ展開した『ハケンの品格』(日本テレビ系)の第3話。今回は珍しく壁にぶつかってしまった春子(篠原涼子)に、かつての同僚であり社食の元アルバイトの牟田(六角精児)が手を差し伸べた。

 今回の炎上騒動の張本人である井出裕太郎(杉野遥亮)は、自ら起こした問題に他人事のような態度でいる。会社に大きな損益を与えたにも関わらず心から詫びる様子は見られない。それどころか、バツが悪そうに肩を丸めたり、背もたれに深く寄りかかって気怠そうにするばかり。だがそんな井出も、自身のSNS用の動画撮影となると、途端にキャラクターが変わったかのようにひょうきんに振る舞うなど、思わぬギャップを見せる。

 そんな捉えどころのないキャラクターを演じるのは若手俳優の杉野遥亮。杉野は雑誌『FINEBOYS』(日之出出版)の専属モデルオーディションでグランプリを獲得しデビュー、晴れてモデルの活動をスタートした。以降、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)で俳優デビューし、映画『キセキ ーあの日のソビトー』に出演したことをきっかけに、映画内で結成されたボーカルグループ・グリーンボーイズ名義でCDデビューするなど様々な分野での経験を積んでいる。

 爽やかで整った容姿に高身長とあり、本来なら“デキる新人”のような役でもおかしくない。しかし今回はやる気もなく自社を炎上に巻き込むような新入社員を演じている。かっこよく見栄えのいい杉野だが、本作ではイケメンオーラを封印し、謎のメロディを口ずさみながら簡単な手品にさえ苦戦する“かっこ悪さ”を前面に押し出している。さらに井出の動画が炎上して社長が激怒している様子を見ると、まさに「小さくなる」を体現するかのごとく大きな身体を丸めるような仕草を見せるなど、細かい芝居で井出の小さな心のゆらぎを表す。井出がSNS用の動画撮影時に見せるギャップは、会社に対して愛もなければ、信頼もないことを伺わせるシーンでもあり、杉野は井出の抱く思いやスタンスを丁寧に表現していた。

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