深田晃司×ビー・ガン×市山尚三による『ロングデイズ・ジャーニー』特別鼎談の一部公開

深田晃司×ビー・ガン×市山尚三による『ロングデイズ・ジャーニー』特別鼎談の一部公開

 2月28日公開の映画『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』。劇場にて販売されるパンフレットに収録される、深田晃司×ビー・ガン×市山尚三の特別鼎談の一部が公開された。

  本作は、2015年に長編映画『凱里ブルース』で映画デビューを飾った中国映画界・新時代の旗手ビー・ガンの監督第2作。ルオ・ホンウは、父の死を機に、何年もの間距離を置いてきた故郷・凱里へ帰還する。そこでは幼なじみの死を思い起こすと同時に、彼の心をずっと捉えて離れることのなかった、ある女のイメージが付き纏った。彼女は自分の名前を、香港の有名女優と同じワン・チーウェンだと言った。ルオはその女の面影を追って、現実と記憶と夢が交錯するミステリアスな旅に出る。

 今回、公開劇場にて販売される『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』のパンフレットに収録される、本作の監督を務めたビー・ガン、『淵に立つ』『よこがお』などの深田監督、そして東京フィルメックス・映画プロデューサーの市山による特別鼎談の一部が公開された。

 本作について深田監督は、「非常に驚きました。高いレベルに挑戦しているという点に同じ映画作家として悔しさも感じました」とコメント。一方、ビー・ガン監督は、「『淵に立つ』を見ました。素晴らしい作品だと思います。簡潔ですが、非常に重要な要素が含まれた作品だと思います」と深田監督の作品の印象を語る。

 ビー・ガン監督の前作『凱里ブルース』と『ロングデイズ・ジャーニー』を2本続けて観たという深田監督が、「全く違う顔を持ちながら本質は同じで、背骨は同じものの見た目が違う2本の映画であると感じました」と話すと、ビー・ガン監督は「確かに表現の手法は異なりますが、登場人物たちの感情、特に家族や恋人に対する感情を引き出すという点は共通しています。市山さんは中国の若い監督の作品に詳しいですが、日本の若い監督との相違点あればお聞きしたいと思います」と市山に話を振る。すると市山は、「日本にも優秀な人はいますが、スケールの大きさという点でビー・ガンさんに匹敵する人はいないと思います」と反応。ビー・ガン監督は「それは謙遜だと思います。スケールの違いについては、中国の環境が関係しているのかもしれません」と言及する。

 2016年に上海映画祭で審査員をしたという深田監督は、「その時の中国映画と日本映画の印象がすごく似ていたんですね。中国映画は検閲のためだと思うんですが、安全な題材しか扱っていないものが多く、一方で日本映画は市場を気にして保守的になった作品が選ばれていました。そういった土壌の中でビー・ガンさんの作品が非常に実験的で強い作家性を持っているという点に驚きました」と中国映画と日本映画の類似点を指摘。ビー・ガン監督は、「中国映画界の先輩たちは検閲に対して戦ってきましたが、自分の作品には明確なイデオロギーはなく、例外的だと思います。自分自身は主流から離れて辺境にいるような気がします。貴州の凱里という自然環境もそうですし、映画を学ぶ環境もそうでした。山西省の太原のメディア学校で学んだんです」と中国映画界での自身の立ち位置を説明した。

 鼎談の後半では、貴州出身なのになぜ太原で映画を学んだのか、ビー・ガン監督の凱里という土地へのこだわり、『凱里ブルース』と『ロング・デイズ・ジャーニー』の繋がりなどが語られている。

■公開情報
『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯て』
2月28日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほかにて全国順次公開
監督:ビー・ガン
出演:ホアン・ジエ、タン・ウェイ、シルヴィア・チャン
配給:リアリーライクフィルムズ、ドリームキッド
提供:ドリームキッド + basil、miramiru、リアリーライクフィルムズ
2018年/中国・フランス/カラー/138分/原題:Long Dayʻs Journey into Night(地球最后的夜晩)
(c)2018 Dangmai Films Co., LTD, Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD – Wild Bunch / ReallyLikeFilms
公式サイト:www.reallylikefilms.com
公式Twitter:https://twitter.com/ReallyLikeFilms

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