細田善彦、栄信、落合モトキ 『ニッポンノワール』で異彩を放った若きバイプレイヤーたち

『ニッポンノワール』の若きバイプレイヤーたち

 そんな惜しまれつつも退場することとなった栄信と、バトンタッチするかたちで登場してきたのが落合モトキだ。先に述べた2人とは異なり、彼は今作からの登場。落合が演じるのは、“ベルムズ”の現リーダー・陣内凪人で、喜志の逮捕により崩壊した“ベルムズ”を立て直した存在である。

落合モトキ演じる陣内凪人

 落合は子役出身者とあって、現在29歳ながらすでに芸歴は20年を超えている。これまでジャンルレスに多数の映画やドラマに出演し、さまざまなタイプのキャラクターを演じ上げてきた。今作のようなチンピラ役はもちろんのこと、反対に刑事役などにも柔軟に対応。クセの強いキャラクターから、ごく平凡な男子まで、彼が演じられる幅は実に大きい。今作でも、“ベルムズを立て直した”という人物設定なだけあって、それ相応の“ヤバさ”を体現する必要があった。それに加えて初登場タイミングが第5話という、物語が転換期を迎える回からの参加ということで、彼がこの重要な任を負えるだけの実力者だと、広く認められていることがここから分かるはずである。最終回までにもう一つくらい、大きな爪痕を残してくれるのではないだろうか。

 若手からベテランまで、みなのおかしなテンションで物語られる『ニッポンノワール』。冒頭で述べたように、そもそもの設定がぶっ飛んでいるのだから、ハンパな熱量ではこの作品は成立しないのだ。それがこういった三者のような、若きバイプレイヤーの力によって支えられている。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。Twitter

■放送情報
『ニッポンノワール ー刑事Yの反乱ー』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~放送
出演:賀来賢人、広末涼子、井浦新、夏帆、工藤阿須加、佐久間由衣、立花恵理、田野井健、栄信、細田善彦、篠井英介、北村一輝
脚本:武藤将吾
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:福井雄太 、柳内久仁子(AX-ON)
演出:猪股隆一
制作協力 : AX-ON
製作著作 : 日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/NNY/
公式Twitter:@NNY_ntv

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