『あなたの番です』終盤へ向けた大きな動きが 住民たちそれぞれの過去が徐々に明らかに

 赤池夫婦の事件が第4話のラスト。第5話と第6話を改めて見返してみると、内山が盗聴器を仕掛けた(どのタイミングで仕掛けたかは未だ不明ではあるが)沙和の部屋で、菜奈と早苗(木村多江)に例の一覧表を見せるシーンが登場するのは第6話の終盤。児嶋佳世の足が夫の俊明(坪倉由幸)の元に届けられるシーンとクロスカッティングで描かれている。つまりここの時系列に意図的なズレがあったのか、はたまた他の参加者から聞いたのか。第5話でゲームのことを知った木下(山田真歩)・江藤(小池亮介)・西村(和田聰宏)の線もゼロではない。

 そして今回のエピソードでは、謎多き新住人である南(田中哲司)についての情報も追加された。南の部屋に入った翔太が見つけたある少女の写真と、その少女が殺された事件の新聞記事のスクラップ。回想シーンを見る限り、その少女は南の娘なのだろうか。以前その事件のあった高知県の銀行に勤め、面識があった田宮(生瀬勝久)に迫る南。それと同時に、南は内山のアパートに翔太たちが踏み込んだ際に近くにおり、また神谷が殺される直前に喫茶店で内山と会っていたという目撃情報も。しかも先週登場した内山の履歴書には、田宮が勤めていた銀行の支店名と同じ市の名前が。それはつまり、黒島も高知県の同じ土地の出身であるということであり、これまでの田宮の黒島に対する異様な挙動にも結びつく“過去”があるというわけだ。 

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
日曜ドラマ『あなたの番です-反撃編-』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送中
出演:原田知世、田中圭、西野七瀬、浅香航大、奈緒、山田真歩、三倉佳奈、大友花恋、金澤美穂、中尾暢樹、小池亮介、井阪郁巳、袴田吉彦、片桐仁、真飛聖、和田聰宏、野間口徹、林泰文、片岡礼子、皆川猿時、徳井優、田中要次、長野里美、阪田マサノブ、大方斐紗子、峯村リエ 、竹中直人、安藤政信、木村多江、生瀬勝久、横浜流星、田中哲司
企画・原案:秋元康
脚本:福原充則
演出:佐久間紀佳ほか
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:鈴間広枝、松山雅則
制作協力 :トータルメディアコミュニケーション
製作著作 :日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/anaban/

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