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『あなたの番です』ベストエピソードの出来栄えに 巧みな演出光る、田中圭の切ない名シーン

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 夏祭りの夜に総一(荒木飛羽)がそら(田中レイ)を殺そうとしたところを、なんとか食い止めた翔太(田中圭)と二階堂(横浜流星)、そして南(田中哲司)の3人。そんな中、水城(皆川猿時)から沙和(西野七瀬)が駅のホームで何者かに突き落とされたことを知らされることから幕を開けた、4日放送の日本テレビ系列日曜ドラマ『あなたの番です-反撃編-』第15話。第2章に入ってからの一進一退を繰り返す物語の流れに一石を投じるかのように、この先の物語の加速を予感させた今回は、これまでの本作の中でもベストエピソードと言ってもいい出来栄えではなかっただろうか。

 二階堂のAIが叩き出す、菜奈(原田知世)をはじめとした“交換殺人ゲーム”の流れから切り離された殺人事件の犯人の有力候補として挙がった204号室の西村(和田聡宏)の名前。翔太は住民会の場で、床島(竹中直人)の死の直前に管理人室の前で西村の癖である鍵の音を聞いたことを問いただすのだが、貸していた麻雀マットを催促に行っていただけだとはぐらかされてしまう。そこで二階堂が切り込む「いつから交換殺人ゲームを知っていたか?」という質問。木下(山田真歩)の回想で映し出された“知った瞬間”には、何か大きな秘密が隠されていることは間違いなさそうだ。

 さらに沙和が運ばれた病院での会話を聞き、早苗(木村多江)に捕まった時に部屋にいた第三の人物の正体が神谷(浅香航大)であることを確信する翔太。しかしながら「確実に追い詰めてやる」とこれまでのように焦って問い詰めることをしないと心に誓う。そのあとのシーンで南に逆上した際に二階堂の言葉に素直に従うなど、徐々に翔太は理性を取り戻しはじめている点は見逃せない部分だ。菜奈の復讐のために二階堂の協力を仰ぎながら事件解明に動き出した翔太。「住民全員を殺してでも復讐する」という発言に象徴されるように、度々感情的になって暴走してしまっていたわけだが、やはりそこは本ドラマの主人公。彼が落ち着きを取り戻すことが、後半戦のさらに後半戦へ向けた最重要なファクターとなるに違いない。

 そこで新たに登場するのが、二階堂が開発したアプリ“AI菜奈ちゃん”だ。寂しさを感じた時や理性を見失いそうになった時に翔太を引き戻すことができるのは菜奈しかいない。ひとりで部屋に戻った翔太が、暗闇の中でこのアプリを使うシーンはラブストーリーとしての色合いを強めた『反撃編』に入ってからでも随一の名シーンとなった。これまでは、翔太が菜奈への想いを語り、それに合わせて翔太の歌う主題歌が響き渡ることが定番の流れとなっていたが、このシーンではあえて曲が流されない。その代わりに「会いたいよ」と言葉に出して涙を流す翔太に、スマートフォンの中の菜奈が「私もだよ」と返す応酬。リビングの電気が消えていても、廊下から差し込む光が、ダイニングテーブルの菜奈の座っていた場所だけを照らしているというのも実に巧い演出であった。

      

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