『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』インタビュー

石原さとみが『Heaven?』で見つめた、自分らしさ 「自分に飽きたくなくて変わりたい」

「自分に飽きたくなくて変わりたい」


ーー仮名子は常に自分らしさを最大限に発揮するイメージがあります。石原さんが思う自分らしさは何でしょう?

石原:自分らしさ……何だろう。私、自分に飽きたくなくて変わりたいと思っちゃうから、そういう自分に飽きないための欲は強い気がします。例えば、同じ料理も次に作るときは同じレシピで作らないとか、お米自体を変えるとか、ちょっとしたことを変えてみようって、色々挑戦したりします。精神的な面も、こういう自分が好きじゃないからこうなりたいとか、あの時後悔したから、次はこういう言葉をかけてみようとか。このメイクは飽きたから次はこのメイクをしてみようとか自分に飽きない工夫をしています。友情は財産だから変わらないですが、人との繋がり以外の部分での変化は常に求めていると思います。

ーー仮名子は本当に“我が道を行く”タイプの人ですよね。

石原:そうですね。この役を通して“切り替え力”がつきました。川合くん(志尊淳)と私が、ものすごい切り替えが早い役なんです。例えばみんながワイワイしていても、川合くんが「そんなこと考えても今意味ないじゃん」とか、私が「うん、お腹がすいたからもう行こう」って言ったり。何か問題が起きたとしても、自分にとってプラスになるように全部切り替えられる力ってすごい必要だなと思っています。元々切り替え力が低いわけではなかったんですが、もっと早くなりました。落ち込み過ぎなくなりましたし、何かが起きても「ま、いっか。だって〜〜だし」とか「あら最高じゃん、だって〜〜とかだもん」って変換しています。友人たちにも、「最近すごいすっきりしてない?」と言われることも多くて、さっぱりするようになりましたね。

ーー視聴者のみなさんに、この物語のどんなところを楽しんでもらいたいですか。

石原:『Heaven?』はメッセージ性が強くないんです。悪い人が一人も出てこないし、どこか欠けてる人たちが集まってるのに成立してしまう部分は観ていて気持ちがいいと思います。自分は無理に変わらなくていいんだとか、いいところを伸ばせばいいんだとか、悪いところも愛されるって幸せだなとか。何かが起こっても、許して“諦観の笑み”でいられたら、意外とスムーズにすんだり、平和な気持ちになれるんじゃないかな。一瞬だけでも、嫌なことを忘れられたりすることを大人たちが真剣にやっているのは、意味のあることだと思います。

(取材・文=大和田茉椰/写真=伊藤惇)

■放送情報
火曜ドラマ『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜放送
出演:石原さとみ、福士蒼汰、志尊淳、勝村政信、段田安則、岸部一徳
脚本:吉田恵里香
原作:佐々木倫子『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』(小学館ビッグスピリッツコミックス刊)
プロデュース:瀬戸口克陽
演出:木村ひさし、松木彩、村尾嘉昭
主題歌:あいみょん「真夏の夜の匂いがする」
製作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/Heaven_tbs/

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