『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』はScreenXと相性抜群! ワイドな視界が生む効果

 映画館の鑑賞形態の多様化は映画に何をもたらすのか。多くの映画がこの実験に参加して様々な試みを行っている。

 マーベル映画最新作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』もその多彩な試みに参加。今作は、前方だけでなく両側面のスクリーンにも映像が投影される「ScreenX」版を用意している。『アベンジャーズ/エンドゲーム』の興奮が冷めやらぬ中、早くも『エンドゲーム』後の世界を語る作品として、ファンの注目度も高い本作だが、両壁面にも映像が映し出されることでどんな効果を得たのだろうか。

 ScreenXとは、前方の通常スクリーンに加えて、左右の壁面にも映像が投影され、3面のスクリーンを合わせて270度という広い視界を確保する、次世代型映画上映システムだ。2012年に開発され、現在では世界19カ国に合計229スクリーンあるそうだ。日本では、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場(東京都)、ユナイテッド・シネマ 福岡ももち(福岡県)、ユナイテッド・シネマ PARCO CITY 浦添(沖縄県)、シネマサンシャインかほく(石川県)、シネマサンシャイン下関(山口県)の5箇所に加え、7月19日から池袋にオープンする「グランドシネマサンシャイン」には、4DXと融合した体感型シアター「4DX with ScreenX」も開設される。

 3Dは奥行き、4DXは座席の仕掛けで臨場感を高めるというやり方に対して、ScreenXは、映画本来の持ち味である、視覚へ訴える効果を最大限に活かすべく、極限まで左右の視界を広げることで、映画の世界への没入感を高めている。映画は、スタンダードサイズからヴィスタサイズ、そしてシネマスコープと視野角を広げることで表現の幅も拡げてきたが、そんなスクリーンの発展の歴史に沿った正当な進化と言える。

座席の一部に設置された『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』特製カバーシート

 そんな最新のスクリーンは、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』という作品にどんな効果をもたらしたのかを体験してきたのでここでお伝えしたい。今回は、ScreenXシアターの座席の一部に『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』特製カバーシートが設置されている、東京都にあるユナイテッド・シネマ アクアシティお台場で鑑賞した。

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