『ハンターキラー 潜航せよ』成功のカギはブチギレ俳優2人のキャスティング!? その頑強な魅力に迫る
本作では、良くも悪くもテンプレのようなシーンが頻出する。休暇中の主人公を政府のヘリが迎えにきたときは思わずガッツポーズしたし、「良いニュースと悪いニュースがある」を久しぶりに生(?)で聞けた。調べてみると監督のドノヴァン・マーシュは本作が長編2作目という新鋭だが、脚本・製作総指揮を担当しているアーン・シュミットは70年代からアクション映画畑で働いている超ベテランだ。本作の独特の空気は彼の働きによる部分が大きいのではないか。あと本当に個人の感想なのですが、日本語タイトルの副題「潜航せよ」のフォントが90年代後半から2000年代初期のアクション映画っぽくないですか?
そんなわけで稀代のブチギレ俳優2人と、アクション映画のツボをおさえた作りによって、本作はお好きな人にはタマらない作品に仕上がっている。ベタすぎる、雑すぎる、といった批判すら「でも、そこが好きなんだ」と開き直れるような、頑強な魅力を持つ1本だ。
■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿しています。最近、会社に居場所がありません。Twitter
■公開情報
『ハンターキラー 潜航せよ』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
監督:ドノヴァン・マーシュ
原作:ジョージ・ウォーレス&ドン・キース『ハンターキラー 潜航せよ』(ハヤカワ文庫)
出演:ジェラルド・バトラー、ゲイリー・オールドマン、コモン、リンダ・カーデリーニ、ミカエル・ニクヴィスト
配給:ギャガ
原題:Hunter Killer/2018/イギリス/122分/カラー/シネスコ/5.1ch/字幕翻訳:林完治
(c)2018 Hunter Killer Productions, Inc.
公式サイト:gaga.ne.jp/hunterkiller