森七菜、『3年A組』で一躍ブレイク 『東京喰種2』『天気の子』話題作にも出演するその魅力とは

 永野芽郁や今田美桜といった、今まさにブレイクまっただ中の若手俳優から、これから伸びてくるであろう原石までもが大挙に出演し、この1月クールに大きな話題を集めた日本テレビ系列の日曜ドラマ『3年A組-今から皆さんは人質です-』が放送終了してから早くも3週間が経った。出演者の多くが本作をきっかけに飛躍を見せることは言うまでもないが、その中でも最大のブレイクを果たす逸材は誰だろうかと考えをめぐらせれば、それは森七菜をおいて他にはいないだろう。

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 現在17歳の森について語る前に、まずは彼女が『3年A組』の中で演じた役柄について振り返ってみたい。彼女が演じていた堀部瑠奈は、電脳部に所属するアニメ好きな女子生徒で(たしか第1話でクラス全員が菅田将暉演じる柊の人質になった際に、深夜アニメが観られないことを嘆いていたはずだ)、教室の最前列に座っていた。古典的な学園ドラマのルールに則るように、このドラマでは座席配置によってクラス内のヒエラルキーや各々の性質を示していたといえる。

 何人かの例外はあれども、廊下から窓側に向かうにつれて内面に秘める意志の強さ、前方から後方に向かうにつれて外部に向けた主張の強さが高まっていく形になっていたはずだ(その最上位にいるのが片寄涼太演じる甲斐隼人であり、正反対の位置にいるのが永野芽郁演じる茅野さくらという点でそう判断できる)。そうした相関図は、人質になるという状態の変化を持ってしても変わることがなかった一方で、ドラマ後半に全員が“共犯”として一つの目標に向かうと同時に崩壊し均一化され、各々の“個”が高まるようになっていったのだ。

 座席配置から見える前提としての堀部瑠奈のクラス内の位置付けは、いわば“隠キャ”と呼べるような下層であった。しかしながらドラマ終盤で彼女は、田辺誠一演じる教師・武智を追い詰める監視カメラ映像の解析を行い、クラスの誰よりも先にそれがフェイク動画であったという真実に気が付く。さらに甲斐の右腕的なポジションにいる佐久本宝演じる石倉が、彼女に対して好意を持っていることがこの辺りから描かれるようになることで、クラス内での存在感を高めていったのである。

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