『まんぷく』にも浜野謙太、MONKEY MAJIKら登場 朝ドラ、なぜミュージシャンを多く起用?

『まんぷく』なぜミュージシャンを多く起用?

 朝ドラ『まんぷく』(NHK総合)が今月末に最終回を控え、物語も佳境に突入。いよいよ朝ドラ100作目『なつぞら』にバトンを渡す時が近づいてきた。

 半年のオンエアを振り返ると、所々にミュージシャンが出演していたのが印象的だ。序盤には白馬・蘭丸に乗って登場し、後に保科恵(橋本マナミ)と結婚するなど、朝ドラに刺激的なアクセントを付けている牧善之介(浜野謙太)。牧を演じる浜野は、ファンクバンド・在日ファンクとして活動しながらバラエティ、ドラマ、映画にも引っ張りだこの状態。『西郷どん』『いだてん』(NHK総合)と大河ドラマへの連投、民放ドラマでも『グッドワイフ』(TBS系)にゲスト出演するなど、俳優として活躍の場を広げている。

浜野謙太『まんぷく』より(写真提供=NHK)

 浜野はもちろんなのだが、『まんぷく』には更に多くのミュージシャンが出演していた。第10週「私は武士の娘の娘!」には、ロックバンド・MONKEY MAJIKから進駐軍の曹長にハリー・ビンガム(メイナード・プラント)、軍曹にジョナサン・メイ(ブレイズ・プラント)とプラント兄弟が登場。ビンガムが流暢な英語を喋り、メイがそれを日本語で通訳する。過去にも福子(安藤サクラ)がホテルに勤めていた際に英語テロップが流れていたことはあったが、朝ドラで軍人が喋る光景はどこか新鮮で、インパクトがあった。プラント兄弟は、カナダ出身の宮城県仙台市在住。同じ仙台出身のサンドウィッチマンとのコラボ曲「ウマーベラス」が記憶に新しいだろう。カナダと日本の“ハイブリッドバンド”として公式にも謳っているように、海外出身で日本在住のバンドマンは現在でも稀有な存在であり、朝ドラ出演というのは話題性的にも十分だ。

メイナード・プラント『まんぷく』より(写真提供=NHK)
ブレイズ・プラント『まんぷく』より(写真提供=NHK)

 その話題性を増幅させたのが、監視役の軍警察のチャーリー・タナカとしてプラント兄弟と同じタイミングで出演を果たした岡崎体育。タナカは、カリフォルニア生まれの日系人という役柄で、ヘルメットにサングラスをしたどこか異様な雰囲気を持った人物。その大阪訛りの喋り方は、英語を喋っているように聞こえる岡崎の楽曲「Natural Lips」を思い起こさせる。「ストップイットー!」と檻にいれられた萬平(長谷川博己)らに怒号を飛ばしていたタナカだが、萬平らの釈放が決まる頃には「ダネイホン、言うほどマズうなかった」とエールを送り、童謡の「赤とんぼ」を歌う。彼の作風やパフォーマンス性をよく理解した上での、見事な脚本である。

岡崎体育『まんぷく』より(写真提供=NHK)

 また、先日MONKEY MAJIKと岡崎体育によるコラボレーション楽曲「留学生」のMVも発表された。テーマは“日本語に聞こえる英語、英語に聞こえる日本語”で、まさに『まんぷく』が生んだコラボと言える。

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