初主演映画『ニート・ニート・ニート』で見せた躍進 安井謙太郎は“邪道”もサラリとこなす演技派に

 安井はジャニーズJr.の中でも、芸歴が長い人物だ。これまでも度々テレビやドラマに出演してきた。彼が演じた役を振り返ってみると、根暗・真面目な役もあるものの、そのほとんどが「チャラい」「イキっている」「嫌なヤツ」という役。例えば、Sexy Zone・中島健人主演の『BAD BOYS J』(日本テレビ系)。安井は、A.B.C-Z・橋本良亮演じるヒロが率いる不良グループ「ナイツ」の幹部役として出演。敏腕幹部ではあるのだが、ヒロの気を引こうと無茶をしたり、他の幹部と喧嘩をしたり、“腰巾着感”が否めない。『SHARK〜2nd Season〜』(日本テレビ系)では、主演のジャニーズWEST・重岡大毅演じる朔を裏切り、敵対するバンドに加入するというクズっぷりを発揮。いずれの役も板についていた。ジャニーズファンの知人曰く、「役がクズすぎて、安井は何も悪くないのに安井が嫌いになりそう」だそうだ。そう言わしめる安井の演技力には、脱帽だ。

 とにかく役のイメージが強い安井だが、実は普段は頭の回転が早いデキる男だ。デキるジャニーズJr.の別称・“できジュ”という言葉は、安井によって生まれたと言っても過言ではないだろう。普段のキャラと別のキャラをドラマや映画で演じ続けることができるのも、安井が“できジュ”である所以かもしれない。昨今、俳優の手塚とおるや木下ほうかなど、癖のある俳優が注目されている。ジャニーズメンバーが演じる王道な役ではなく、安井だからこそ演じられる役はこの先も増え続けていくだろう。先日、2019年3月末日をもって安井がジャニーズ事務所を退所することが発表されたが、彼なら息の長い、貴重な俳優としてさらに躍進することは間違いない。 

(文=高橋梓)

■公開情報
『ニート・ニート・ニート』
全国公開中
監督・脚本:宮野ケイジ
原作:三羽省吾『ニート・ニート・ニート』(角川文庫)
主題歌:「キャリーオン」9mm Parabellum Bullet(日本コロムビア)
出演:安井謙太郎(ジャニーズ Jr.)、山本涼介、森田美勇人(ジャニーズ Jr.)、灯敦生、MEGUMI、松澤一之、相田英瑞、小南光司、山優香、前田倫良、石野真子(特別出演)、藤本隆宏
配給・宣伝:MACH/スパイラル・ピクチャーズ
企画:株式会社ミレ・ファクトリー
製作:映画「ニート・ニート・ニート」製作委員会
(c)2018 三羽省吾・角川文庫/映画「ニート・ニート・ニート」製作委員会
公式サイト:https://neet3.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/neet3_jp/

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