太賀×石川慶監督『十年』対談 「太賀くんはこの世代ピカイチだとずっと思っていた」

太賀「観てくださる人にとっても何かを考えるきっかけになってくれれば」

ーー現場の雰囲気はいかがでしたか?

太賀:本当にスマートだったような気がします。座組はよくやられている方たちなんですか?

石川:いや、初めましての人もいるし、そうでない人もいるけれども、基本的には横のつながりというか、友達とか「今度1回やってみようよ」と言っていた人たちに集まってもらって。だから、いつもやっている商業分野の作品に比べたら、仲の良い人たちで集まってやったという感覚は現場にもあったかなと。

太賀:監督の吸引力みたいなものはすごくあったと思います。キャストも、迷いなく自分の思う芝居を提示できたというか。後は演出していただいて......っていう。

石川:最近この作品を観直して思い出したんですが、最初は音楽を入れようとしていたんですよ。短編ってやっぱり一気に観る人のテンションを上げないといけないので、音楽で後押しする必要があるだろうと考えていたんです。でも、最終的に音楽を使わずに17分見せきれたのは、太賀くんと木野花さんの会話が意味のやり取りじゃなくて、間柄として成立していたからだと思います。あれは完全に役者の力です。僕がどうこうできるものじゃないので。

ーー石川監督が太賀さんをキャスティングされたのも、それができるという期待から?

石川:そうですね。太賀くんはこの世代ピカイチだとずっと思っていたので。いつか仕事したいという願いが叶った感じですね。

太賀:光栄です。

ーー太賀さんはこの映画を通して伝えたいことはありますか?

太賀:『十年 Ten Years Japan』のコピーとして「未来とは、今を生きること」とありますけど、確かにそうだなと思っていて。この『美しい国』という作品も10年後のことを見据えていますけど、この映画が、観てくださる人にとっても何かを考えるきっかけになってくれれば。

ーー石川監督はいかがですか?

石川:10年後の話をしていますけど、10年後のことって今もう起こっていることなので、未来の話をしているつもりはあまりなかったです。そのあたりの思いは、最後の太賀くんの表情に全部出してもらいました。

(取材・文=島田怜於/写真=宮川翔)

■公開情報
『十年 Ten Years Japan』
11月3日(土)より、テアトル新宿、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開
出演:杉咲花、國村隼、太賀、川口覚、池脇千鶴
配給: フリーストーン
(c)2018 “Ten Years Japan” Film Partners
公式サイト:http://tenyearsjapan.com/

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