『中学聖日記』で異例の芸能界デビュー、新人・岡田健史の素顔 「人生で一番うれしかった」
「人生で一番うれしかった」
ーー黒岩晶役はオーディションで勝ち取った役どころですが、印象的だった審査は?
岡田:演技審査には、塚原あゆ子さん(演出)も新井順子さん(プロデューサー)も金子ありささん(脚本)もいらっしゃって、すごく汗をかきました(笑)。 演劇の大会では、舞台にライトが当たっているので、お客さんの顔があまり見えなかったんです。なので、初めて人前で「自分、どうですか?」と見せる場だったこともあり、いろんなところから汗が……(笑)。審査の前、1週間ほど演技レッスンをしました。
ーーどのような指導があったのでしょうか?
岡田:まず、演技とはなんぞやっていうところからですね。何も知らないので、野球でいえば「投げ方」から。もちろん、その1週間でできるようになったとは思えないですし、晶役に選んでいただいたことには、感謝の気持ちしかないです。
ーーオーディションを受けている役者さんの中には、演技経験が豊富な方もいたと思います。
岡田:周りのことはあまり考えませんでしたね。どうしたら相手に届くかとか、どうしたら受かるかという視点で先生からも指導を受けていましたし、オーディションの本番にもその気持ちで臨みました。
ーー晶役に決まったと聞いたときは?
岡田:もう、めちゃくちゃうれしかったです。人生で一番うれしかった(笑)。それと同時にデビュー作でこんなに大きな役をいただいたことへの責任感も感じました。共演も大先輩のすごい方々ばかりで、失礼な演技はできないですし。クランクインまでに今の自分に何ができるのかを考えて、身が引き締まる思いでした。
「すごく緊張して、汗が止まらなくなりました」
ーー原作を読んだときの印象はいかがでしたか?
岡田:少女漫画って、キャラクターの目が大きくて“女の子が好きそうな絵”というイメージがあったんです(笑)。でも、『中学聖日記』を読んだらびっくりするほど読みやすくて、絵もすごく綺麗だなと思いました。僕はギャグっぽいシーンの絵が好きですが、一方で勝負どころのシーンが美しく描かれているところも印象的で、現場でも原作の場面を想像しながら演じています。
ーー晶はピュアで、思春期特有の葛藤も抱えている中学生ですよね。具体的には、どのような役作りを?
岡田:晶はどういう人なのかなっていうのを、自分の実体験を交えつつ理解するところから始めました。僕には、晶ほどの反抗期がなかったんですよね。晶は見たものに素直に反応するけれど、捉え方がかなり屈折している。それは今までの自分の人生ではなかった感情なので、そこを演じることにやりがいを感じています。あとは食事制限で体重を10キロ落としました。自分にできることを考えた時、演技はできないので、まずは痩せることだなって(笑)。
ーークランクイン初日、初めての現場のことは覚えています?
岡田:とにかく人が多いなぁと思いました(笑)。話には聞いていたけれど、今までの人生では見たことのない光景だったので、戸惑いましたね。最初の撮影が、顔のアップからだったんですよ。なので、大きなカメラが目の前に来た時にすごく緊張して、汗が止まらなくなりました。
ーーそれはすごいですね。その後は、気持ちを落ち着かせて順調に撮影できたのでしょうか?
岡田:はい、その後は大丈夫でした。