「365日の紙飛行機」合唱シーンに反響! 感動を生み出す『グッド・ドクター』収録現場に密着

 医療ドラマで欠かせないのが、作品の世界観を作り上げる現場のセット。院内の様子や医療用具などのセットの再現の高さには驚いた。小児外科が舞台であることから、子供たちの遊び場や、ナースステーションの受付にはたくさんのぬいぐるみが置かれていたりと、ドラマの世界観を作る上での重要な部分を担っていた。また、上野樹里演じる小児外科医・瀬戸夏美の机には、子供たちからもらった手紙が飾られていたり、お楽しみ会に向けて院内全体が装飾が施されていたりした。筆者が現場に訪れた際に感じたワクワク感は、現場にいた子供たちも同じだったようで、撮影の合間には彼らから「これなにー?」と質問された山崎が、優しく説明している場面にも遭遇した。

撮影の合間に子供たちと過ごす山崎の様子

 また、プレイルームやナースステーションには、カラフルな色合いとユニークな動物たちが描かれている。門秀彦が手がけたこのイラストには、「虹鳥ルルの物語」という架空の物語設定が存在し、トンボの羽の様な6枚の羽を持つ虹鳥の「ママルル」は、虹を生む鳥で“奇跡”と“希望”、7匹のタマゴルルは、病棟内の子供たちの“夢”の象徴とされている。監督の意向もあり、タマゴルルにはストーリーに出てくる子供たちそれぞれの個性が投影されている。

タマゴルル

 ドラマ内で山崎は、子供たちと接する際に、彼らと同じ目線で話したり遊んだりする純粋無垢な姿を見せている。コミュニケーション能力に障害があるという役柄を演じる上で、相手を前にしたときの少々おどおどしているように見える所作や、落ち着きない表情をするときの目線など、前述のとおり、山崎の演技には視聴者から賞賛の声が上がっているが、第5話の現場でも、湊が倫太朗の元へ他の子供たちを静かに呼び寄せる際に、口元に指を当て、手招きをする動きをしていた。その動作一つをとっても、彼が役を上手く表現しているのが伝わってきた。また、子供たちが「365日の紙飛行機」を合唱するときには、傍で歌に合わせて頷くような優しい表情を見せており、倫太朗とのハイタッチのときの笑顔も印象的だった。

 第5話の最大の見どころとなった合唱シーンは、撮影前に何度も練習が行われたそうで、撮影中にも何度も一生懸命歌う子供たちの姿が見られた。第4話では、あかり役を演じた高松咲希の名演技が話題になったが、撮影現場での子役に対しての演出指導の様子を見て、大人や子供関係なく、登場する役者一人ひとりに、心を動かす演技が求められている現場であると感じた。人々に感動を与えるドラマ作りの裏側には、スタッフの真摯な思いや姿勢があることが確認できた。

 第6話では、命の危険を抱えた出産間近の妊婦に高山(藤木直人)と夏美、湊が向き合っていく様子が描かれる。山崎率いるこのチームの本作にかける思いは、今後もドラマを通して、視聴者を感動に導いていくだろう。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

(取材・文=大和田茉椰)

■放送情報
『グッド・ドクター』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00放送
出演:山崎賢人、上野樹里、藤木直人、戸次重幸、中村ゆり、浜野謙太、板尾創路、柄本明ほか
原作:『グッド・ドクター』(c)KBS(脚本:パク・ジェボム)
脚本:徳永友一、大北はるか
プロデュース: 藤野良太、金城綾香
協力プロデュース:西坂瑞城
演出: 金井紘、相沢秀幸
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/gooddoctor/

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