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『セラヴィ!』オリヴィエ・ナカシュ監督が語る、人生の可笑しさと切なさ 「大事なのはユーモア」

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 世界中で記録的な大ヒットとなった『最強のふたり』の監督コンビ、エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュの最新作『セラヴィ!』が7月6日より公開された。結婚式会場を舞台とした本作は、そこで働くスタッフ、式を行う新郎新婦らの人生や思惑が交差していく様子を軽妙なタッチで描いたコメディドラマだ。

 リアルサウンド映画部では、監督のひとり、オリヴィエ・ナカシュにインタビュー。本作で常用な役割を果たしたアヴィシャイ・コーエンの音楽の効果から、撮影の裏側、ユーモアに込めた思いまで、じっくりと話を聞いた。

不協和音が極上の音楽となっていく

ーージャン=ピエール・バクリ演じるウェディングプランナーのマックスが本作の主人公ではありますが、登場するキャラクター一人ひとりが非常に魅力的でした。

オリヴィエ・ナカシュ(以下、ナカシュ):音楽みたいなものなんだよ。登場人物全員が“楽器”であり、一人ひとりが違う音を持っている。その音を見極めること、そしていかに組み合わせるかが監督として大事なことなんだ。本作で言えば、ジャン=ピエール・バクリという指揮者が真ん中に立っているが、当然彼だけでは音楽は成立しない。出番の多い少ないに関わらず、出演者全員が『セラヴィ!』という“音楽”を成立させるために必要なんだ。

ーーバクリが演じるマックスも、スタッフたちを束ねる指揮者のような存在ですね。

ナカシュ:そのとおり。だから、映画の前半ではマックスはスタッフを思うようにコントロールできず、まさに不協和音な状態だ。それが後半に向けて徐々に徐々に調和が取れていく。この不協和音から調和へというイメージは、本作で初めて映画音楽を手掛けてくれたジャズミュージシャンでもある、アヴィシャイ・コーエンの存在が大きい。彼のジャズにはいろんな音楽スタイルがミックスされている。最初は不協和音のように聞こえるが、徐々に徐々に調和が取れていき、極上の音楽となる。まさにこの作品を言い当てている音楽なんだ。

ーーなるほど。それぞれの役者の音が重なるように、本作はひとつの画面の中に何人ものキャラクターの動きがあるのも印象的です。あの動きはどうやって引き出したのですか。

ナカシュ:結婚式場という一定の場所で起きる1日を見せる物語なだけに、ともすれば演劇的になってしまうという懸念点があった。だからこそ、役者たちには常に“動く”ことを意識してもらったよ。自分が映っていないところでも、劇中の結婚式は進行している、そしてカメラは常にそれを追っていると伝えたんだ。それはジャズの音楽と一緒で、ひとつの楽器が主旋律を奏でていても、ほかの楽器がすぐにセッションに入っていくのと同じように、役者のみんなにもすぐにアドリブに入れるように求めていたんだよ。

ーー個人的に気に入っているキャラクターはカメラマンのギィです。マックスがスタッフのみんなを叱責しているシーンで、ひとりだけゲスト用のお菓子をひたすら食べ続けているシーンに爆笑してしまいました。

ナカシュ:ギィを演じたジャン=ポール・ルーヴは本当にうまくやってくれたよ。僕もあのシーンはお気に入りのひとつなんだ。ギィは真面目に仕事をしないダメな奴ではあるんだが、誰もがスマートフォンで写真を撮るようになり、カメラマンとしての仕事を奪われているという切なさも抱え持っている。パーティーの司会兼バンドボーカルのジェームス(ジル・ルルーシュ)も本当はテレビに出るようなビッグスターになりたかったけど、夢やぶれて結婚式のステージに甘んじている。自分勝手な新郎も、すべては新婦のためにやっている。登場人物はみんなダメな部分を持ってるんだけど、だからこそ人間としての愛らしさを持ったキャラクターたちなんだ。観てくれた方々が、あなたのようにお気に入りのキャラクターを見つけてくれたらうれしいね。

      

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