最終話は第1話より前のエピソード? 『コンフィデンスマンJP』時系列のトリックに興奮

『コンフィデンスマンJP』時系列トリック

 その鉢巻にダー子らは、一人ひとり過去と本名を明かされる。ダー子は「フジサワヒナコ」、ボクちゃんは「ニシザキナオト」、リチャードは「カマタキヨシ」。ところがこれらは、ダー子とリチャードが楽しみにしていたミステリー映画『海老河原の冒険』のラストで、主人公・海老河原幸吉(袴田吉彦)が挙げる犯人の名であった。彼らの過去に触れ、ちょっとだけ感動してしまっただけに、より「してやられた感」は強い。しかもいつもであれば、ダー子の企みにボクちゃんが巻き込まれるという形であったが、今回ははじめから鉢巻を騙すべくこのプロジェクトに彼が乗り気であったこと。さらに、時系列がバラバラな本作だが、今回のストーリーはまさかの時系列的に第1話よりも前の出来事であったのだ。

 毎週にぎやかな笑いを届けていた『コンフィデンスマンJP』。まさになんでもありの展開の連続だった本作の、“ロス状態”に陥る方もいるのではないだろうか。映画化も決定したということだが、劇場版ではどんなスケールでダー子らの奮闘が描かれるのか、いまから楽しみである。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。

■放送情報
『コンフィデンスマンJP』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:長澤まさみ、東出昌大、小日向文世ほか
脚本:古沢良太
企画:成河広明
プロデュース:草ヶ谷大輔、古郡真也
演出:田中亮、金井紘、三橋利行
制作・著作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/confidenceman_jp/index.html

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