濱田龍臣が語る、『ウルトラマンジード』を通して芽生えた覚悟 「成長していく姿を観てほしい」

『ウルトラマンジード』濱田龍臣インタビュー

 半生紀以上の歴史を誇るウルトラマンシリーズの劇場版最新作『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』が3月10日より公開中だ。悪のウルトラマン・ウルトラマンベリアルの遺伝子を受け継ぐ主人公・朝倉リクが己の運命に逆らいながら戦う姿を描いたテレビシリーズは、作家・乙一がシリーズ構成を手がけるなど、これまでにないストーリーが高く評価された。劇場版となる本作では、朝倉リクが地球最大の危機に立ち向かっていく姿を描く。

 リアルサウンド映画部では、ウルトラマンジードに変身するリクを演じた濱田龍臣にインタビュー。朝倉リクを演じて成長した部分や、本作の見どころまでじっくりと語ってもらった。

濱田「役者を仕事とすることへの覚悟と責任が芽生えました」

ーーテレビシリーズ、劇場版の撮影を終え、かつて濱田さん自身も憧れていた“ウルトラマン”を演じてみて、いかがでしたか。

濱田龍臣(以下、濱田):出演が決まったときは本当に驚きました。今から8年前の2010年公開作『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』に10歳で出演させていただいて、そのときは「20歳を超えたころに、ウルトラマンになれるかもね」と家族で話していたんです。でも、20歳になる前にまさかの抜擢をしていただいて。過去のウルトラマンシリーズはウルトラマンと共闘する地球防衛軍がいて、主人公もそこに属する形がほとんどでした。リクも紛れもないヒーローではあるんですが、どこにも属していないし、19歳という大人でもない1人の青年でした。だから、ヒーローにならないといけないという重荷を背負うことはなかったんです。その代わりに、朝倉リクとして濱田龍臣として、まだまだ未熟な部分が成長していく姿を、皆さんに観ていただければ思っていました。

ーーウルトラマンを演じたことで、子供たちから声をかけられることも増えたのでは?

濱田:それがまったくないんです。多分、みんな朝倉リクの服装で覚えてくれているからだと思います(笑)。

ーーリクはひとつひとつの戦いを経て成長していきます。濱田さん自身は撮影の前後で何か大きな変化はありましたか。

濱田:リクがジードとして、自分がなぜ戦うのか、誰のために戦うのかを自問しながら強くなっていったように、僕自身も役者を仕事とすることへの覚悟と責任が、本作を通してより強く芽生えたと思っています。

ーーテレビシリーズからリクを囲むチームの連携が作品の魅力のひとつです。共演者の方々と現場では?

濱田:すごくいい雰囲気でした。坂本浩一監督が作る空気感が大きかったと思いますが、誰か個人のおかげというわけでもなく、全員が楽しめる笑顔の絶えない現場で。キャストの皆さんをはじめ、スタッフの方々から叱咤激励をして頂いたことがすごく多かったんです。それが自分自身の成長にも繋がりましたし、最高の現場でした。撮影外の時間も、ジャグラス
ジャグラー役の青柳(尊哉)さんと、伊賀栗レイト役の小澤(雄太)さんと一緒にご飯を食べに行ったり、沖縄を散策したりしていました。みんなとは役名のまま呼び合ったりしていたので、オフなのか撮影中なのか、分からない瞬間もありました。

ーーチームワークの良さがスクリーンにもしっかりと表れていると思います。リクと自身は似ていますか。

濱田:僕はリクほど前のめりになることはないのですが、性格的にすごく似ている部分は多いんです。リクは『爆裂戦記ドンシャイン』(※テレビシリーズに登場するヒーロー)が好きで、僕は『ウルトラマン』が好き。どちらも心の中に大きなヒーローがいて、何事にもポジティブでよく喋る。だから、トークショーなどに出演する際、濱田龍臣として喋っているのか、朝倉リクとして喋っているのか、分からなくなることもあるんです。これまで演じさせていただいた役にはない、自分が役と同化してしまった感覚でした。劇場版では、リクは「自分がどうにかしなければいけない」という思いで独りよがりな行動を取ってしまいます。でも、仲間たちの助けのおかげで自分の弱さに気付くことができた。僕自身、演じながらたくさん学ばせていただきました。

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