深川麻衣、“聖母的アイドル”から“奥ゆかしい女優”へ 『パンバス』こじらせ女子の魅力を考察

深川麻衣の奥ゆかしい魅力を考察

 『パンバス』のキャッチコピーには、“こじらせ女子”という言葉が使われている。映画『勝手にふるえてろ』や、ドラマ『海月姫』(フジテレビ系)などにも通じるキーワードで、現在の文化系女子を描く際に欠かせない設定となりつつあるが、3作品を比較するとよく分かるように、その“こじらせ方”は人それぞれだ。ふみの場合、芯が強いゆえに、考えすぎて行動に移せないわけで、それが本人にとってコンプレックスになっているのだが、深川ならではの奥ゆかしさによって、そこもまた魅力的に感じさせている。

 主演でありながら、物語をグイグイ引っ張るのではなく、流れに任せるような自然な演技で、心情の変化をなだらかに表現したのは、特筆すべき点だろう。風景に溶け込むような彼女の立ち居振る舞いは、他の作品でも重宝されるはずだ。その奥ゆかしさに磨きをかけていけば、深川は今後、唯一無二の女優として、さらに飛躍するに違いない。

(文=梅澤亮介)

■公開情報
『パンとバスと2度目のハツコイ』
イオンシネマにて公開中
出演:深川麻衣、山下健二郎(三代目J Soul Brothers)、伊藤沙莉、志田彩良、安倍萌生、勇翔、音月桂
監督・脚本:今泉力哉
主題歌:「Puzzle」Leola(Sony Music Associated Records)
配給:「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会
(c)2017映画「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会
公式サイト:www.pan-bus.com

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