山崎賢人×広瀬アリス『氷菓』、実写とアニメはどう違う? “目で語る”役者らの演技を考察

『氷菓』、実写とアニメはどう違う?

 えるだけでなく、折木も推理シーンでは少し目線を上げることでひらめきを表現しているほか、糸魚川養子役の斉藤由貴も、クライマックスでは渾身の“瞳の演技”をみせる。彼女が過去を語るシーンももちろん劇伴はついておらず、セリフ量もそれほど多いわけではない。だが、斉藤が大きな瞳を震わせながら涙をためるシーンは、それだけで説得力バツグンで、まさに“目で語る”演技であった。

 山崎と広瀬という、青春恋愛作品常連の若手役者らを起用しているものの、そうした音響の使い方や細やかな演技もあってか、いわゆる青春映画のようなキラキラ感(『氷菓』風に言えば“薔薇色”感)は、良い意味で抑えられていたように思う。

 ほかにも、原作のセリフ回しやアニメの衣装を忠実になぞりながらも、時代設定や推理の内容が若干異なるなど、実写ならではのオリジナル要素も存分に組み込まれていた。古典部ファンであれば、そうした差異についても、推理ならぬ間違い探し的な感覚で楽しめるのではないだろうか。

20171103_hyouka2
20171103_hyouka3
20171103_hyouka4
20171103_hyouka5
20171030-hyouka-sub1
20171030-hyouka-sub2
20171027-hyouka2
20171103_hyouka
previous arrow
next arrow
20171103_hyouka2
20171103_hyouka3
20171103_hyouka4
20171103_hyouka5
20171030-hyouka-sub1
20171030-hyouka-sub2
20171027-hyouka2
20171103_hyouka
previous arrow
next arrow

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

■まにょ
ライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter

■公開情報
『氷菓』
全国公開中
出演:山崎賢人、広瀬アリス、小島藤子、岡山天音、天野菜月、眞島秀和、貫地谷しほり(特別出演)、本郷奏多、斉藤由貴
監督・脚本:安里麻里
原作:米澤穂信「氷菓」(角川文庫刊)
主題歌:イトヲカシ「アイオライト」 エイベックス・トラックス
製作:「氷菓」製作委員会
制作プロダクション:角川大映スタジオ
配給:KADOKAWA
(c)2017「氷菓」製作委員会
公式サイト:http://hyouka-movie.jp/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「作品評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる