『進撃の巨人 Season2』で描かれた“友情”と“裏切り” 悪役にも感情移入させる心理描写の妙

 このように、2期は派手なアクションやセンセーショナルな人の生き死にというよりも、キャラクターの心の動きがメインに描かれていたのではないだろうか。裏切り行為は一見すると悪だが、裏切る側の心情も丁寧に描くことで、単なる勧善懲悪とは一線を画した重厚感のあるストーリーが生まれる。戦士と兵士、使命と友情のはざまで葛藤していたライナーと同じように、きっと視聴者も“エレンたちを応援したい、でも、いろいろと事情があることを鑑みるとライナーたちも報われてほしい……”と、心が揺らいだのではないだろうか。

 波乱万丈の展開だった2期を終え、早くも2018年に3期のアニメ放送が決定した『進撃の巨人』。1期、2期とアニメ版も期待値以上の出来となっていたので、たとえ原作を読んで展開がわかっていても、放送が楽しみで仕方ない。

■まにょ
ライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter

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