浜辺美波、藤野涼子、八木優希、久保田紗友 ……“00年世代”は女優として完成し始めている

 2000年といえば「世紀末」と呼ばれ、「2000年問題」に恐々としながら迎えた年だ。長澤まさみがデビューしたり、『ONE PIECE』の最初の映画が公開されたり、ディズニーランドの近くにイクスピアリがオープンしたりと、ギリギリ20代の筆者でもそんなに前のような気がしない。この年に生まれた世代が、すでに女優として完成し始めているだなんて、正直複雑な気持ちだ。今回はこの2000年に生まれた(早生まれも含む)女優をピックアップしてみようと思う。

浜辺美波

 まずこの世代で最も注目すべき逸材は、以前『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(フジテレビ系)のドラマ版、またドラマと映画の同時進行で実写化プロジェクトを行った『咲-Saki-』でヒロインを務めた浜辺美波だ。(参考:ネクストブレイク筆頭株! 浜辺美波は『咲-Saki-』で“抜きん出た素質”見せられるか

『咲-Saki-』(c)小林 立/SQUARE ENIX・「咲」プロジェクト (c)Ritz Kobayashi/SQUARE ENIX

 7月から公開される映画『君の膵臓をたべたい』でのヒロイン、そして秋に公開される本広克行監督の話題作『亜人』と、出演映画が続く彼女。現在放送されている三井ショッピングパーク「ららぽーと」のCMでは、木村佳乃と母娘役で共演し、コミカルな掛け合いを見せている。19日から放送が始まり、瞬く間に大きな話題となっている日清カップヌードルのCM「HUNGRY DAYS 魔女の宅急便 篇」では、17歳になったキキの役で声優を担当。相次いで話題の役柄に抜擢されている浜辺は、可憐さと華々しさを両方持ち合わせた、この世代をリードする“絶対的美少女”なのである。

藤野涼子

 現在放送中の朝の連続テレビ小説『ひよっ子』(NHK)で、有村架純演じる主人公・みね子と同じく集団就職で上京し、“乙女寮”に暮らしていた真面目な少女・兼平豊子を演じる藤野涼子もこの世代を代表する女優の一人。一昨年公開された映画『ソロモンの偽証』で大規模なオーディションをくぐり抜け、初主演に加え役名を芸名にするという鮮烈なデビューを遂げ話題となった。

『クリーピー 偽りの隣人』(c)2016「クリーピー」製作委員会

 その後、学業に専念していたために出演作は多くないが、『クリーピー 偽りの隣人』では共演する香川照之らベテランの個性派俳優たちとも肩を並べる存在感を見せつけてくれた。年内には、浅田次郎原作の『輪違屋糸里』の主演に抜擢され、時代劇に初挑戦。今後映画女優として活躍する未来が容易に想像できる。

八木優希

 同じく“乙女寮”のメンバーの中にももう一人この世代の注目株がいる。それは秋田から上京してきた夏井優子を演じている八木優希だ。2008年に放送された月9ドラマ『薔薇のない花屋』(フジテレビ系)で、香取慎吾演じる主人公を支えるしっかり者の娘・雫を演じていた彼女。なんと現在16歳にして芸歴も16年。0歳の頃から子役として活躍し、その出演作の多さはこの世代随一。今回の朝ドラの“乙女寮”が、かつての『あまちゃん』(NHK)における“GMT47”のようにブレイクの入口となれば、今後ますます注目を集めていくことだろう。

 それにしても、この世代はまだ現役高校生でありながら、その年齢的なイメージよりも落ち着いた雰囲気を持った少女たちが人気を集めている傾向にある。ひとつ上の世代が橋本環奈や永野芽郁といったキラキラした世代なだけに、明確に世代の差が出ているのが面白いところだ。

 久保田紗友

『ハローグッバイ』(c)2016 Sony Music Artists Inc.

 その中で、誰よりも大人っぽく落ち着いたイメージを見せているのが久保田紗友。何と言っても、昨年秋から放送された朝ドラ『べっぴんさん』(NHK)で、喫茶店ヨーソローで働く五月を演じていたことが印象に残っている。現在もジョンソン・アンド・ジョンソンのアキュビューCMで戸田恵梨香の妹役として出演。コンタクトデビューをして明るく変わる女子高生を好演している。WEBで公開されている限定ムービーでは、図書館で大人しく三島由紀夫や太宰治の本を読む、真面目で大人しいイメージを見せつつ、明るい笑顔であどけなさを見せる一面も。

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