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古川雄輝は“異世界”で輝く俳優だ! 『L-エル-』広瀬アリスに負けない熱演を考察

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 Acid Black Cherryのコンセプトアルバムを映画化した『L -エル-』が公開中だ。VFXを多用したファンタスティックな世界観のもと、人気女優の広瀬アリスが少女から老女までのエルの一生を演じて話題を集めている。妖艶な踊り子や悲劇的な妊婦など、これまでにない顔を見せた広瀬の好演は評価されている。だが、実はもうひとり、本作にはクローズアップされるべき熱演を見せる役者がいる。エルを一生涯想い続ける幼なじみ・オヴェスを演じた古川雄輝だ。

 古川には異世界がよく似合う。『L -エル-』のラストでは、その個性を発揮して、突如として作品を支配する。ここでリアルの枠の外でこそ光る古川の魅力を紐解きたい。

 2010年にデビューを果たした古川が知名度をグンと上げたのは、多田かおるの人気コミックスをドラマ化した『イタズラなKiss〜Love in TOKYO』。容姿端麗&頭脳明晰でスポーツ万能、でも冷たい“入江クン”という今流行りのドS王子キャラを先行していたキャラクターは、帰国子女で慶応義塾大学理工学部出身の古川自身のバックボーンにマッチしていた。入江クン”=古川は、中国を筆頭にアジア各国で熱狂的に受け入れられる。しかし日本においては、役柄のみならず演じた本人も超ハイスペックであるという肩書きのアピールが逆にハードルを上げた感もあり、ブレイクまでには至らなかった。

 その後、真木よう子の相手役を務めた『脳内ポイズンベリー』(15)、月9ドラマ『5→9〜私に恋したお坊さん〜』(15)といった、いわゆる若手イケメン向けの役柄でキャリアを積み、下地を固めていくが、古川の独自性を花開かせるためには、別角度からの攻めが必要だった。そして今年、一気に独特のオーラが放たれ始めたのである。

 舞台「ライチ光クラブ」を基にした古屋兎丸の同名コミックを、『先生を流産させる会』の内藤瑛亮が映画化した『ライチ☆光クラブ』で、美しさを絶対とし、大人になることを否定した少年たちのリーダー・ゼラ役に出会う。本作は、野村周平、間宮祥太朗、松田凌といった、いずれも注目を集める若手役者がそろった群像劇。古川は、持ち前の妖しげな瞳を武器に、BLの雰囲気を醸す、サディスティックかつ実は弱さも併せ持つ狂人を、その世界におけるリアルなキャラクターとして落とし込み、輝いてみせた。

 続けて『SR サイタマノラッパー』(09)、『ジョーカー・ゲーム』(15)の入江悠が監督したSFモノ『太陽』に出演。2014年には故・蜷川幸雄も演出した、劇団イキウメを率いる前川知大による舞台劇の映画化である。バイオテロによって人類が減少した近未来。ウイルスへの抗体を持ち、支配層となった新人類ノクスと、ウイルスの感染を免れた旧人類キュリオとに分かれた世界で、神木隆之介扮するキュリオの青年・鉄彦と友情を育んでいくノクスの青年・森繁を演じた。物語は鉄彦と、その幼なじみの結(門脇麦)の決断を軸に展開するが、鉄彦との交流を通じて新たな扉を開いていく森繁の変化も深く印象に残る。

 同作では差別する側のノクスに扮した古川だが、7歳からカナダにて家族と暮らし、高校からは単身、アメリカで過ごした経験から、マイノリティである自分を強く意識させられたと語ったこともある。意図したものではないにせよ、海外暮らしで感じた思い、体験が役者を続けていくうえで血肉として活きているのは間違いない。

      

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