真剣佑、村上虹郎、北村匠海……『仰げば尊し』不良5人組がファンを虜にする理由
“5人組”が生むマジック
元々はバンドを組んでいたという設定と、吹奏楽部という団体で演奏するものをメインにした物語だから“5人”という人数なのだろう。5人という人数は嵐やももいろクローバーZ(現在のメンバー数)などのアイドルグループ、戦隊ヒーローシリーズなどでもよく適用される。各々の個性が立ちやすく、かつ人数も多い分、人々の好みが分散されファン層の増加が期待できるからだろう。6人組や4人組に比べ、センターが明確になるのも、覚えやすいポイントである。『仰げば尊し』の場合、ギターボーカルを務めていた青島裕人がセンター的な立ち位置といえそうだ。各々のキャラクターを際立たせつつ、同時に欠落部分を補い合うことで、彼らのグループは作品の中でもとりわけ魅力を放っている。
さらに、5人全員が寺尾聰演じる樋熊迎一や、吹奏楽部との関わりを通して各々成長していくところが面白い。吹奏楽部においても、この5人組がいるからこそメリハリが生まれ、部全体が変化していく。元々の部員たちには欠落していた仲間を想う気持ちや、がむしゃらに頑張る姿勢などを彼らが示し、影響を与えているのだ。
今夜放送の第7話は、いよいよ“全国吹奏楽コンクール”の地区予選大会が始まる。音楽留学に向けてレッスンに励む木藤良蓮や癌を患っている樋熊迎一が、今後どうなるのか。また、不良5人組がどのような活躍を見せてくれるのか楽しみだ。
(文=戸塚安友奈)