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『素敵な選TAXIスペシャル〜湯けむり連続選択〜』放送記念 脚本・バカリズム×演出・筧昌也対談

バカリズム×筧昌也が語り合う『素敵な選TAXI』の挑戦、そしてスペシャル版で描こうとしたこと

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筧「バカリさんの脚本の面白さは、やっぱり会話なんです」

20160402-sentaxi-sub1.png(左から)筧昌也、バカリズム

ーー漫画という話が出てきましたが、栗山千明さんがゲストだった連ドラの第6話はまさに漫画的な作りになっていましたよね。

筧:栗山千明さんの回は面白かった! 自分で撮ってるんですけど(笑)、あの回すごく好きなんですよ。

バカリズム:あの回、面白かったですよね。監督が完全に楽しくなっちゃってるのがもう伝わってきて(笑)。最後すごかったですもんね。普通のドラマにはないような演出がたくさんあって。

筧:今考えると、このドラマは宣伝でコメディとは謳ってはいないけど、観ている人たちはやっぱり“笑い”を期待すると思うんですよ。で、これも謳ってはいないんですけど、一応SFで。コメディとSFって、21時、22時のいい時間帯の日本のドラマで、今一番やってはいけない2大要素じゃないかなって(笑)。

バカリズム:ははは(笑)。そうですね。

筧:ほとんどないですよね。今は社会派の医療モノや刑事モノ、恋愛モノが多くなってきてるでしょ。いわゆるコメディとかSFって、深夜じゃないと普通できない気がする。

バカリズム:『選TAXI』もこの設定になるまで、二転三転したんですよね。いくつか書いたものがあって、ギリギリになってわけがわからなくなっちゃって。放送時間も22時台だから、最初はもうちょっといわゆるドラマっぽいものを書かなきゃいけないと思って書いていたんですけど、もう最終的に開き直って、好きなことをやろうっていうことで、笑いをたくさん入れて、SFにしました。それが意外にも通ってしまって、竹野内さんも面白がってくれて。

20160402-sentaxi-bamen3.JPG『素敵な選TAXIスペシャル~湯けむり連続選択肢~』より (c)関西テレビ

ーー今回のスペシャル版の舞台は温泉地ということで。

バカリズム:スペシャル版だし、何人かの主人公が連続で出てきて、最終的にみんなが集まれる可能性がある場所にしたかったんです。じゃあどういう場所があるだろうってなった時に、ホテルや宿泊施設っていうのが出てきて、最終的に温泉旅館になりました。

筧:僕も企画段階から関わっていたんですけど、バカリさんのエンジンが入ったのが明らかにわかった時があって。それはストーリーがどうとかじゃなくて、枝分と乗客の会話だったんですよ。3〜4ページにわたる全く意味のない、でもめちゃくちゃ笑えるようなシーンが前半戦にいくつかあるんです。その脚本を読んだ時に、「あ、始まったな」って感じがしましたね(笑)。バカリさんの脚本の面白さは、やっぱり会話なんですよね。物語ってみんなで会議しながら作れちゃいますけど、やっぱり会話だけは脚本家さんの才能によるものですし、特にバカリさんは会話の面白さを持っているので。「結局、これって何もストーリー進んでないよね?」って感じだけど、面白いから持つんですよ。通常、必要なことをただ言って終わってしまうところを、バカリさんは細かく会話を刻んでいく。そのちょっとずつ進行していく感じがバカリさんの真骨頂で、シーン自体の繰り返しの構造も面白いんですよね。

バカリズム:セリフが長いので、竹野内さんをはじめ出演者の皆さんはかなり苦労をされたと思いますけどね。

20160402-sentaxi-bamen4.JPG『素敵な選TAXIスペシャル~湯けむり連続選択肢~』より (c)関西テレビ

ーーバカリズムさんはカフェの店長役で出演もされているので、俳優としてのバカリズムさんのお話もおうかがいしたいんですが。

バカリズム:それは一番恥ずかしいですね(笑)。あそこだけは本当にできるだけ目立たないようにやっているので。

筧:(笑)。僕も現場では何も言わないですから。他の出演者の方々には多少言いますけど、バカリさんには言ったとしても動きのことぐらいで。脚本家としてのバカリさんと会う時間のほうが圧倒的に多かったので、現場やスタジオで会っても、脚本家さんが出てるっていうイメージなんですよ。

バカリズム:現場での扱いがそうですもんね。だから恥ずかしいんです。俺が出たがってるみたいに見えるのが(笑)。もともと芸人だから別に出るのはいいんですけど、脚本家が出しゃばっているように思われていないかをすごく気にしたりして(笑)。

筧:今回のドラマに限らず、テレビの視聴者としても変な気分になることがありました。さっきまで長時間にわたってずっと一緒に会議をしていた脚本家のバカリさんが、テレビをつけたら深夜のバラエティ番組に出ていて、「この人すごい有名な人じゃないか!」という感じで(笑)。この間、竹野内さんともそういう話をしてませんでしたっけ?

バカリズム:そうですね。竹野内さんのこともずっと枝分として見てるから、枝分以外の竹野内さんがすごく違和感があって変な感じがするって。

筧:「この人かっこいいんだ!」みたいな(笑)。『選TAXI』でもかっこいいんですけどね。

20160402-sentaxi-bamen5.JPG『素敵な選TAXIスペシャル~湯けむり連続選択肢~』より (c)関西テレビ

ーー今回のスペシャル版を作る上で、連ドラ版と比べて意識したことはありましたか?

筧:連ドラを観てた人を楽しませるようにしないといけないし、スペシャルで初めて観る人にもわかるようにしないといけないっていう塩梅ですよね。あと今回、ゲストがざっくり4組いるんですけど、連ドラ4週分ではなく、あくまで2時間半の中に彼らのストーリーを収めなきゃいけない。脚本段階から撮影や編集に至るまで、その足し算引き算みたいなことをずっと考えていましたね。

バカリズム:2時間半ってなかなかですから。僕はどちらかと言うと、スペシャルっぽい感じにしたいっていうのがあったんです。僕が視聴者でよく観ていた好きな番組のスペシャル版って、すごくスペシャル感があったんですよ。『ドラえもん』の映画版だと、ジャイアンがちょっと頼り甲斐があって、ワクワクする感じと言いますか。視聴者をワクワクさせながら、スペシャルっぽい楽しい感じをどう出していくかを考えましたね。

筧:脚本では誰が何をするといった最低限のことしか書かれていないシーンでも、実際の撮影では、この人を撮っているけど手前にはあの人がいるというようなこともたくさんやっているんです。4組が完全に分割したオムニバスに見えないように、まるで視聴者がその温泉地にいるかのようなライブ感、人と人が交差する群像劇感は僕も気にしたところで、それがスペシャル感につながっていると思います。

バカリズム:それは楽しみですね。実は僕、まだ観れてないんですよね。スペシャル版のキャストの方々とは誰にも会っていないですし。

筧:そうですよね。バカリさんは脚本も書いているし出演もしているのに、バカリさんが出演しているカフェのシーンにはゲストが来ないから、会わないっていう。

バカリズム:そう、だから全然会ってないんですよ。だからどうなっているのかは僕自身もすごく楽しみにしています。

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