邦高洋低時代、遂に終焉か!? お盆興行は外国映画がベスト3を独占!

外国映画が興収ベスト3を独占!
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 1位は相変わらず圧倒的な強さの『ジュラシック・ワールド』。前週動員比112.2%と伸ばし、早くも興収43億を突破。作品への評価/満足度も異常に高く、このペースでいくと100億超えも大いに期待できる。一方、2位の『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』も絶好調。最終興収54億円を記録した前作「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」の10日間の興収比で131%と、こちらも50億超えが確実な勢い。現在のところ今年の実写映画ナンバー1は『シンデレラ』の57億だが、『ジュラシック・ワールド』がそれを超えるのは時間の問題として、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』が『ジュラシック・ワールド』に続いて実写映画2位となる可能性も出てきた。

 3位は先週4位の『ミニオンズ』が3週目にしてランクアップ。外国映画がベスト3を独占するのは今年2月の第1週(1位が『ベイマックス』、2位が『ミュータント・タートルズ』、3位が『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』)以来、約半年ぶりとなるが、閑散期の2月ではなく1年で最も動員数が多い時期の一つであるお盆興行にそれを成し遂げたところに大きな意味がある。このところ長年、邦高洋低とされていた日本における映画興行だが、ここにきて大きく潮目が変わってきたと言ってもいいのかもしれない。今週の公開作品には上位に食い込んでくるような新作の公開は見当たらず、この超高水準のベスト3の牙城を崩す可能性があるとしたら来週末公開の『テッド2』くらい。つまり、この外国映画上位独占状態は一時的なものではないだろう。なにしろ、今年はまだ年末に(興収の集計上では来年度の作品となるが)『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』という超特大のタマも控えているのだ。

 今週もう一つ注目すべきは、『バケモノの子』が前週の7位から4位へと大きく順位を上げていること。公開6週目にして前週動員比120%という数字は、いかに幅広い層の観客に細田守監督作品が浸透してきているかの証だ。これで同作は公開37日間で累計動員365万人、興収46億円を突破。細田作品として、最終興収42.2億円を記録した前作『おおかみこどもの雨と雪』を抜いて堂々歴代ナンバー1作品となった。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」「ワールドサッカーダイジェスト」ほかで批評/コラム/対談を連載中。今冬、新潮新書より初の単著を上梓予定。Twitter

■公開情報
『ジュラシック・ワールド』
公開中
配給:東宝東和
画像クレジット:Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment
公式サイト

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