アマゾンジャパン、“破格”の動画見放題サービス開始へ 『トランスペアレント』など最新作も

 27日、アマゾンジャパンは、動画見放題の映像配信サービス「Amazonプライム・ビデオ」を、9月(正式な日にちは未発表)から開始することを発表した。アマゾンはすでに、年会費3900円(税込)で、「お急ぎ便」や「日時指定お届け便」を無制限で利用可能、会員限定先行セールへの参加、対象となっているKindle本を毎月一冊無料で購読できるなど、さまざまな特典のついた「Amazonプライム会員」を行っているが、今回の「Amazonプライム・ビデオ」は、それに追加されるサービスであり、すでにプライム会員となっている利用者は追加料金なしで、多種多様な映像作品をスマートフォン(iOS/Android)やタブレット、Fireタブレット、ゲーム機器、スマートTVなどで無制限に楽しむことができるという。2011年2月にアメリカでスタートした同サービスは、その後、イギリス、ドイツ、オーストラリアなど地域を拡大して展開。アジア地域では日本が初めてのサービス開始国となる。(参考:Amazon to Launch Prime Instant Video in Japan, Taking on Netflix

 サービス開始時のラインナップとしては、今年の「ゴールデン・グローブ賞」コメディー/ミュージカル部門にノミネートされた『トランスペアレント』や、『モーツァルト・イン・ジャングル』、子ども向け番組『タンブルリーフ』など、Amazonが独自に制作した作品を予定。今後は、日本の人気ドラマやバラエティー番組、映画なども提供していく予定だ。米Amazonは今年、ウディ・アレンやスパイク・リーといった人気監督とコンテンツ制作契約を結ぶなど、独自のコンテンツ制作にも意欲的であり、それらの作品は近い将来、日本でも観ることができるようになるかもしれない。

 ちなみに、動画見放題の映像配信サービスとしては、リアルサウンド映画部でもインタビュー取材を行った、世界最大規模の「Netflix」が、この9月2日より、日本でのサービスをスタートすることを発表済み。しかし、その利用料金は最安プランでも650円(税抜き)を予定していることなどから、今回の「Amazonプライム・ビデオ」の年会費3900円(税込)――月で割ると月額325円(しかも、すでにプライム会員となっている場合は実質無料)は、まさしく「破格」と言えるだろう。日本テレビ傘下の「Hulu」やNTTが運営するdTVなど、先行するサービスと合わせて、今後ますます激化していくに違いない定額制の映像配信市場。初夏にスタートしたAWAやLINE MUSIC、Apple Musicといった定額聴き放題の音楽サービスと合わせて、日本にとって今年が「サブスクリプション型(定額配信制)サービス元年」となることは、どうやら間違いないことのようだ。

(文=編集部)