ついに完結『りゅうおうのおしごと!』どんな大団円を迎える? 7月注目のライトノベル

 待望の最新巻や、感動のフィナーレのその後といった話題作が登場する2026年7月のライトノベル。7月17日に発売の雨森たきび『負けヒロインが多すぎる! 9』(ガガガ文庫)は、TVアニメ化で一気に存在感を高めたシリーズの最新巻。ツワブキ高校の生徒会で会計から副会長に昇格した桜井弘人との関係を深めたい恋人の水島小春が、温水に八奈見杏菜、そして前生徒会長の放虎原ひばりを交えた5人で飛騨の温泉地に出かけていく。

 次期生徒会長に決まった馬剃天愛星が、温水に告白するという衝撃の展開があった第8巻から続く新刊だけに、そちらの行方も気になるところだが、いとこ同士で長い付き合いになる放虎原先輩と桜井くんとの関係がどうなるのかも注目ポイント。数多の負けヒロインを生み出してきたシリーズが次に誰を負けヒロインに認定するのか。八奈見さんは美味しいものがたくさんある飛騨でいったい何をどれだけ食べるのか。発売が待ち遠しい。


 本編のフィナーレを受けて登場する本当の完結作となるのが、白鳥士郎『りゅうおうのおしごと! 21』(GA文庫)。女流棋士からプロ棋士となってしばらく対局から遠ざかっていた空銀子が公式戦に復帰し、同門の幼なじみで主人公の九頭竜八一といよいよ初のプロ公式戦を迎えることになる。同時に、晴れて恋人同士となった銀子と八一との結婚話も浮上。関わる者たちの進む道も含めてどのような大団円を迎えるかが気になる。7月15日発売。

 2027年1月からのTVアニメ放送が決まった白金透のシリーズも、最新巻『姫騎士様のヒモ7』(電撃文庫)が7月10日に登場。祖国の再興のために冒険者になった姫のアルウィンを、なぜか経歴不詳で怪しげな雰囲気のマシューという冒険者が支えているというシチュエーションから、タイトルどおりの関係を予想したら、最後に「ヒモ」に別の意味があったことが分かって驚かされた作品。最新巻では、戦いを続ける主従の前にアルウィンの元婚約者という王子が現れ、冒険者としての道も閉ざされそうになってマシューを迷わせる。人間や社会の暗い部分を見せてくれる異色のライトノベルの存在が、アニメ化で広まる前に押さえておいて損はない。

 すっかり定番の追放物も豊富な様子。7月2日に上下巻で登場の優木凛々『追放された元令嬢ですが、このたび、なぜか懺悔室で働くことになりました』(Kラノベブックスf)は、濡れ衣を着せられ王子から婚約破棄を言い渡され、辺境の修道院に追放された侯爵令嬢のソフィアが主人公。慎ましく暮らしていたところ、修道院長から懺悔室で信者の相談を受けてほしいと頼まれ、来る人の話に耳を傾けているうちに元侯爵令嬢としての知識と知恵が効果を発揮し始める。次第に聖女としての評判が高まったソフィアの運命を上下巻で確かめよう。


 TVアニメにもなった君川優樹の『追放者食堂へようこそ!』シリーズが、つむみのイラストによって新装版で登場。『~最強パーティを追放された料理人(Lv.99)は、田舎で念願の冒険者食堂を開きます!~』(オーバーラップノベルス)で最強パーティー「銀翼の大隊」を追放された料理人のデニスが、王都を離れて開いた食堂が評判になっていく展開が綴られ、『~追放メイドとイニシエの食卓~』でメイド姿をした自動人形のオリヴィアが追放者食堂に加わり、『~追放姫とイツワリの王剣~』で王位を剥奪されたエステルという少女がやって来て、追いかけてきたデニスの兄のヒースを相手に戦うことになる。面白さではお墨付きの作品を改めて追いかける良い機会だ。いずれも7月20日発売。



 新シリーズも続々登場。『灰原くんの強くて青春ニューゲーム』の雨宮和希は『影山くんの暗躍×青春ディレクション 1』(HJ文庫)を7月1日に発売。モブキャラとして他人の青春を観察して来た影山薄人の日々が、幼なじみで美少女の銀城紗良が転校してきたことで一変する。すっかりコミュ障になっていた紗良のために暗躍者となる薄人の行動は2人に何をもたらすのか。自分の青春を明るくする方法もつかめるかもしれない1冊だ。

 第32回電撃小説大賞《金賞》受賞の来述延『歌姫を殺したい』(電撃文庫)は、作曲活動で成果を出せない陰キャの間原葵が、内気な少女の蜷川真衣と仲良くなって舞い上がっていたら、真衣が自分より歌で人気を得ていたことで憎んでいた歌姫のニーナだったと知って戸惑うという話。才能への嫉妬と恋心の狭間で葛藤する青春ならではの心理を味わいたい。7月10日発売。

 第18回GA文庫大賞《銀賞》受賞の伊多良天狗『コミュ症陰キャ剣聖に、英雄なんて荷が重い』(GA文庫)でも、苦手なコミュニケーションをどう克服するが描かれる。人見知りで使用人とも話せず庭でひとり剣を振るっていた根暗令嬢のシャルが、暗殺者に狙われていた聖帝ラウラを救ったことで剣聖になってと頼まれ戸惑うという展開。陰キャだが剣の腕前は最高というシャルのドタバタとした日々を楽しめそう。7月15日発売。

 『夏を待つぼくらと、宇宙飛行士の白骨死体』が話題になった篠谷巧による新刊『距離にして10℃以下』(ガガガ文庫)はなんと冷蔵庫SF。食に関心のない大学生、上原夏樹の冷蔵庫が200キロ離れたところで料理代行をして暮らす会田栞のものと繋がったことで交流が始まる。やがて栞の心の問題に気づいたことで夏樹はどう動くのか。『マウントウィーゼルを知ってるか』が一般文芸でも話題になった作者ならではの奇妙な設定の上で繰り広げられる人のドラマを楽しめそう。7月17日発売。

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