藤島ジュリー景子が明かす、記者会見の裏側と松岡昌宏の人柄「会見中も松岡が会場で見守ってくれていたんです」
小説家の早見和真氏が、ジャニーズ事務所の元社長、藤島ジュリー景子氏にインタビューした話題の本『ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間』(新潮社)。同書では、これまでベールに包まれていた旧ジャニーズ事務所の内情がはじめて詳しく語られている。ほぼ全編が早見氏とジュリー氏との一問一答のやり取りで構成されているのも特徴だ。
ジュリー氏自身がプロデューサーを務めた「嵐」のメンバーをはじめ、タレントひとりひとりのエピソードも読みどころのひとつだが、元TOKIOの松岡昌宏に関する箇所も印象深い。
以下、『ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間』より、ジュリー氏が長時間の記者会見に臨んだ直前の状況と、松岡昌宏に関する問答を抜粋してお届けする。(編集部)
長時間の記者会見の裏側
「ざっくりと、何時間くらい前にホテルに到着したんですか?」
「前日の夜から泊まっていました」
「どなたと過ごされていましたか?」
「実はあの夜、心配した『TOKIO』の松岡が来てくれたんです。なので彼と私の個人秘書、会社のスタッフも何人かいたのかな」
「どんなふうに過ごしていたんですか?」
「私がひどく沈んでいるように見えたらしく、松岡から『とにかくご飯を食べろ!』としつこく言われて。ルームサービスで炭水化物系のものを口に入れたのを覚えています」
「一緒に会見に臨んだ新社長の東山さん、ジャニーズアイランドの社長である井ノ原さんとの打ち合わせはなかったんですか?」
「前日の夜はしませんでした。二人は当日に自宅から来ていたと思います。もちろんそれまでにたくさん話し合いはしていましたが」
「前夜は少しは眠れましたか?」
「寝るのは意外と寝られました」
「でも、憂鬱だった?」
「それはもう。朝が来なければいいと祈っていました」
「でも、朝は来るわけです。少しだけ想像できます。人生で一番憂鬱なくらいの朝ですよね」
「そうでしたね。普段から人前に出ることを考えるだけで吐き気がするくらいなので」
「合流された東山さん、井ノ原さんの様子は?」
「それはもう堂々としたものでした」
「場数が違う?」
「それはそうです」
***
こうしてジュリー氏は記者会見に臨んだ。四時間を超える会見を終えた直後の心境について聞かれると、ジュリー氏はこう答えている。
***
「被害者の方や世間がどう評価してくれるかはわかりませんでしたが、人前に出るのも苦手だった自分としてはよくもったなとは思いました」
「近しい方たちの反応は?」
「実は……、これはもう言ってもいいと思うんですけど、あの会見中も松岡が会場で見守ってくれていたんです」
「え、すごいですね。そうなんだ」
「袖でずっと見てくれていたらしく。まさか四時間以上かかるなんて夢にも思ってなかったみたいですけど」
「本当にいい方ですね、松岡さん」
「本当にいいヤツなんですよ」
「会見を終えたジュリーさんに何かおっしゃっていましたか?」
「『よく帰ってきた』という感じでした」
「救われますね。松岡さん以外のスタッフの反応は?」
「スタッフのみんなも『本当にお疲れさまでした』と言ってくれましたし、そういえばうちの娘からは“I’m so proud of you”というメッセージが来ていました」
「娘さんも見てくれていたんですね」
「はい。配信で」
***
TOKIOの解散報道の際には、一人で記者の前に立った松岡。その誠実な受け答えから、会見後、自然発生的に記者の間で拍手が上がった。それも彼の人柄あってこそと言えるのかもしれない。
■書誌情報
『ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間』
著者:早見和真
価格:1,980円
発売日:2025年7月18日
出版社:新潮社