【ライトノベル最新動向:2025年4月】
アニメ化で脚光『ユア・フォルマ』新刊も SFからラブコメまで、4月の注目ライトノベル
「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」シリーズの恵比須清司による『美少女しかいない生徒会の議題がいつも俺な件』(ファンタジア文庫)も男子の気持ちをくすぐるラブコメ。南条晴久という風紀委員の男子に対する恋心の相談を、生徒会長や生徒会役員の女子たちがいずれも自分からだということを隠して生徒会に持ちかけるという興味深いシチュエーションから、ドタバタとした展開を楽しめそう。4月18日発売。
ノベルスではベテランの瀬尾つかさ『若くして引退した銀河帝国元帥は辺境の星でオーヴァーロードと暮らしたい』(カドカワBOOKS)が、追放からのスローライフと見せてファンタジー的なバトルへと続く展開で引きつける。前の皇帝に気に入られ元帥まで上り詰めたゼンジだったが、幼い新皇帝の摂政に嫌われクビにされ、辺境の惑星に義妹と引っ込む。そこで高次元知性体と知り合いエルフから好かれ幼女の姿をしたAIにもパパと呼ばれといった具合に大モテの日々。そこに妹の出生の謎がかかわる事件が起きて元・元帥の実力が発揮される。4月10日発売。
『ゼロの使い魔』の兎塚エイジがイラストを寄せる『侯爵令嬢アグリ・カルティアは授かったチートスキルでこっそり農業を謳歌する(バレバレ) 1』(GCノベルズ)は4月30日発売。侯爵令嬢なのに「農業」のスキルを授かってしまったアグリ・カルティアが、家から追放される恐れを抱きつつスキルから来る農業への欲求が高まり、家族に黙って農業を始めてしまう。やがて周囲を巻き込み大きくなっていくアグリの農業。何を作るのか。何が起こるのか。気になる新シリーズだ。
変わり種は、4月17日発売の『すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー』(集英社オレンジ文庫)。食をテーマにしたSF作品を集めたもので、新装版の『くますけと一緒に』(中公文庫)が書店を賑わしているベテランの新井素子に『流血女神伝』の須賀しのぶ、『宝石商リチャード氏の謎鑑定』の辻村七子といった作家が並ぶ。短い中にSF的な発想が練り込まれ意外な読後感を味わえる1冊となっていそうだ。