アニメーターを目指す学生はどんな授業を受けている? デジタルハリウッド大学に潜入してみた

本場で学びたいという外国人の学生も

 授業の見学を終え、学生の真面目さと、授業中の緊張感が印象に残った。黙々と原画をトレスする学生を見ていると、アニメは人の手で創り出されるものなのだと実感する。こうした地道な作業の繰り返しと、先人が生み出した技術の継承によって、日本が世界に誇るアニメが生み出されてきたのだ。

福井さんが実際に新人アニメーターの教育で使う絵をトレスする。ぶれのない曲線を美しく描くのは簡単なようで、極めて難しい。

 学生はどんな思いで受講しているのか。授業の準備を手伝っている合田晴哉(大学4年、22歳)さんは、「もともとアニメなどの表現分野に興味があり、描くことにも関心があったので、福井先生の授業を選びました。アニメーションの難しさと、楽しさを両方知れるのが魅力です」と語った。なお、合田さんはアニメーターを志しているという。未来のアニメーターがこの教室から生まれるかも…と思うと、筆者も胸が熱くなった。

 おおひなたごう氏が講師を務める京都精華大学のマンガ学部(新世代マンガコース)を取材した際、学生の半分近くが外国人で驚いた。今回のデジタルハリウッド大学の授業でも、外国人がかなり多く、アニメを学ぶなら本場の日本で、とこだわる人が多いようだ。それだけ、日本のアニメが世界から支持を集めている要因といえる。日本人と外国人が国籍を超えて切磋琢磨しながら、技術の研鑽に励んでいると感じた。

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