THE RAMPAGE 岩谷翔吾×横浜流星が明かす互いへのリスペクト 二人で作り上げた小説『選択』を語る
10月11日に発売された、THE RAMPAGEの岩谷翔吾、小説デビュー作『選択』(幻冬舎刊)。
本作は、高校の同級生である俳優・横浜流星の原案をもとに岩谷が書きあげた1冊。中学生時代に、それぞれの角度から「命」に向き合った幼馴染の亮と恭平を主人公に、日々を懸命に生きながらも巨大な社会の闇に飲み込まれていくといった物語だ。
今回は、出版から1カ月が経ち、感じていることなどを岩谷と横浜の2人にインタビュー。(於ありさ)
ーー出版から1カ月が経ちましたが、どういう反響が届いていますか?
岩谷翔吾(以下、岩谷):先ほど、また重版が決まったとの連絡がありまして、長く愛される作品に少しずつなっていってるなと嬉しく思います(取材は11月上旬に実施)。実は先日、プライベートで本屋さんに行ったときに、この『選択』を手に取ってくださる方を見かけました。ただ、僕と目があっても、特に僕を知っているというような反応がなかったので、アーティストだからという理由でなく、作品として惹かれて手に取ってくださる方がいるんだな、作品として受け入れられていっているんだなと嬉しく思いました。
横浜流星(以下、横浜):僕は役者仲間や、スタッフさんが手に取ってくださっていて、反響を感じています。ただ本という1つの形にはなりましたけど、これが終わりではなく、ここからがスタートなのかなと思っています。粗いながらも、僕らがやったことに意味があるし、世に届けたかったので、まずは第一歩を踏めたなと。ここからは、この子を生身の人間としてどうにか生かしていきたいなと考えています。
ーー2人がやったことに意味があるというのは、どんな点において感じますか?
横浜:まず同級生である僕らが作品を生み出すことで、僕らよりも下の世代にも影響を与えられるかなと。作品として届けることはもちろん、自分たちが動くことが大事だなと思いました。
岩谷:ビジネス的なシーンで意気投合して「やりましょう!」となったのではなくて、日常の延長線上で「こういう作品があったらいいよね」「こういうシーンがあったらいいかもね」と話して、そういう何気ない会話の蓄積から生まれた作品なんです。だから、「絶対これでかましてやろう!」みたいな下心のある野望みたいなものは全くなく、自分たちの友情や長年の絆の構築で出来上がった作品かなと思っています。そういう意味では、それこそ流星がお世話になっている藤井道人監督の『BABEL LABEL』が「おもしろい作品を届けたいね」と同級生が集まって結成されたみたいな感覚に近いかなと思っています。
ーージャンルは違えど、エンタテインメントの世界でこれまでの経験を積み上げてきたおふたり。本作では、その経験がどのように生かされていますか?
横浜:僕は少なからず藤井監督の影響を受けている気がしています。きっと藤井作品が好きな人は『選択』が好きなんじゃないかなって。
岩谷:今回小説を執筆するにあたって、流星の過去作品をもう1回見直したんです。もう10年ぐらい一緒にいますけど、作品を観ているときは、それぞれの役の生々しさを感じて、役柄としてしか見られないのですが、改めて、今回意識して観るとすごい役者だなと思いました。なので、当て書きではないものの、流星のエッセンスはところどころに入っていると思います。困ったときに「あのキャラクターならどう動くかな」と想像して、1つの判断材料にもしましたから。
ーー1つの作品を作って、おふたりの友情関係に変化はありましたか?
岩谷:僕は流星のことをより知れたし、より絆が深まったように感じています。この作品、特に読者に伝えたかったとか、世の中に発信したかったというのもあるのですが、個人的には流星の背中を押したいという気持ちもあったんです。そうやって執筆する中で、自分はより流星に対して尊敬もしましたし、好き度も上がりましたね。
ーーそれはなぜですか?
岩谷:こういう仕事をしていると、上り詰めるところまで上り詰めて、孤独が降り注ぐ世界にいってしまうということもあるんです。一部分、物語や文章から浮いている箇所があるんですけど、浮いてでもいいから、流星に伝えたいなと思いました。
ーー横浜さんは友情関係に変化を感じた部分はありますか?
横浜:やはりリスペクトが高まりました。こういう作品を作りたいとは思っていたものの、僕には文章を書く力はなかったので。対して、彼には文章力とセンスがあるなと。それから、都度原稿を送ってくれる中で、毎回ブラッシュアップされていたんです。それに僕が意見を出しても、何1つ嫌な顔をせず修正してくれて。感謝しています。
岩谷:流星は言葉の引き算への美学に長けていて、すごく勉強になりました。例えば、日常会話で一人称ってそこまで言わないなって。だからこそ、素直に受け入れられたんです。