クロロホルムで気絶させるのは不可能? 実はフィクションだった漫画の知識
「クロロホルムで気絶させる」も現実的ではない?
また漫画だけでなく小説や映画でもよくある、背後から忍び寄ってハンカチに染み込ませたクロロホルムを嗅がせて気絶させるという誘拐手段。この手段も現実的ではない。
そもそも吸入麻酔として使われていたクロロホルムは、息をして吸い込み、肺を薬で満たすことで麻酔効果を発揮する薬品。しかし肺に行きわたらせるためには数分間深呼吸する必要があり、布に染み込ませた程度の濃度では一瞬で気絶させるには不十分だ。またクロロホルムは毒性があり、肝臓の障害や腎不全、不整脈などを引き起こすことも。もし仮に十分な量を吸わせて気絶させることができたとしても、体にダメージを与える可能性があるといえる。
青酸カリやクロロホルムは昔からさまざまな漫画や小説に登場しているため、不思議と説得力があり、信じていた人も多いのではないだろうか。今回紹介したもの以外にも、事実とは違うフィクションな知識が漫画の中には隠れているかもしれない。