シニア世代、漫画・アニメに夢中はアウトなの? 黎明期・第一世代の「大人になったら卒業」は過去のもの?

■シニア層の方が熱狂的な漫画好きが多い?

  現代の若者にとっては、娯楽が多様化しているため、あくまでも漫画やアニメは数ある娯楽の一つでしかないと語る識者がいる。一方、現在の60〜70代が子どもの頃は、漫画やアニメは最高のエンタメであり、エンタメの頂点であった。漫画雑誌の発行部数が数百万部だった時代を生きたのである。

はまじあき『ぼっち・ざ・ろっく!』(芳文社)

  したがって、シニア世代の漫画好きはまったく珍しくないどころか、動画配信サイトの普及によって、最新のアニメを視聴する人たちも増えているといわれる。現に、筆者の知り合いの65歳の漫画・アニメ好きのA氏は、『【推しの子】』や『ぼっち・ざ・ろっく!』も観賞しているという。

  A氏は、こうした作品を見ることで「若い人たちの文化を知ることができる」と語り、さらには「子どもの頃、親が厳しくて、漫画やアニメを思う存分に見れなかったんだ。だから自由の身になった今、あの頃やりたかったことを存分に楽しんでいるんだよ」と語ってくれた。

  70年代、80年代の漫画のリバイバルブームは依然として盛んである。昭和レトロブームの影響もあって、勢いづいている印象も受ける。鳥山明の『ドラゴンボール』は80年代に連載が始まった漫画だが、現在の10代をも惹きつけている。漫画やアニメが、既に世代の壁を越えて楽しめる娯楽となっているのは間違いないだろう。

関連記事