ゴジラ上陸、宇宙人との接触、恐竜復活……現実で起こったらどうなる? ハードSFと最新科学から検証 

■恐竜の復活は可能なのか?

  最後に恐竜の復活を描いた『ジュラシック・パーク』についても触れておこう。

『ジュラシック・パーク』(早川書房)

  公開当時は現実的とされた『ジュラシック・パーク』の恐竜復活方法だが、現在では理論的に不可能とされている。『ジュラシック・パーク』に登場する恐竜は、琥珀に閉じ込められた蚊が吸血した恐竜の血液を使ってDNAを採取し、これを解析・復元した上で欠損部位を現生のカエルのDNAで補完、さらにこれをワニの未受精卵に注入することで復活したという設定になってる。だが、赤血球、白血球、血小板などの血液に含まれる細胞成分には寿命がある。赤血球は100から120日ほど、白血球は20日から25日ほどだ。

  細胞が死滅すればDNAもバラバラになるため、ジュラ紀や白亜紀の琥珀に保全された蚊から恐竜の血液を採取しても遺伝情報の復元は不可能である。また、柳田氏によると劇中で描かれた程度の人数で恐竜のDNA解析をした場合、1万5800万年かかる計算とのことだ。いずれにせよジュラシックパークの開業は現実的ではないと言っていいだろう。

  ただし、これは「『ジュラシック・パーク』の方法では」恐竜の復活は不可能という意味であり、恐竜のように古代に絶滅した種の再生は決して絵空事ではない。

 『すごく科学的: SF映画で最新科学がわかる本』によると、復活可能な絶滅した種でもリョコウバト、カモノハシガエルは有力候補で、さらにロマンのあることに日本のクローン技術専門家とハーバード大学の研究チームがそれぞれ違ったアプローチでケナガマンモスの復活に取り組んでいるらしい。ハーバード大学の研究チームを率いていたジョージ・チャーチはその後、マンモスを復活させるベンチャー企業を立ち上げ、なんと2028年にはケナガマンモスの赤ちゃんが誕生する予定とのことだ。

  本当に実現したらSF映画すら超えるような驚異の光景を見ることができるかもしれない。

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