【漫画】愛らしい恐竜とのリアルな二人暮らしーーSNS漫画『アンキロサウルスと暮らす長屋』にうっとり
アンキロサウルスの背中で足つぼマッサージ
――恐竜と人間が一緒に生活している漫画を多く公開していますが、そもそもなぜ制作するようになったのですか?
Pecco:まず幼少期に映画『ジュラシックパーク』を見たことがキッカケで、恐竜を好気になってそれからはよく首長竜の絵を描いていました。また、数年前に「イラストレーターになる」と宣言してから、恐竜と人が暮らすイラストを投稿することが増え、その後「恐竜と暮らす漫画を描いたら面白いのでは?」と思って描き始めました。
――『アンキロサウルスと暮らす長屋』誕生にはそういった背景があったのですね。
Pecco:はい。一枚絵から前後のストーリー・登場人物は自分の頭の中にあったのですが、それらに動きを付けて紙に落とし込むことは大変な作業でした。結局完成までに半年以上かかりました。
――ちなみになぜ“女性とアンキロサウルス”という組み合わせになったのですか?
Pecco:以前SNSにアップしたアンキロサウルスと女の子の一枚絵から始まりました。それから「女の子がアンキロサウルスの背中に足を乗せ、アンキロサウルスの背中のゴツゴツを足ツボマッサージ代わりにしているなったら可愛いな」というイメージが浮かび、「じゃあ一緒に住んでいるなら床仕上げは土間仕様かな?」「そうなったら家は町屋か長屋かな?」とどんどんアイディアが膨らんでストーリーを作っていきました。
――主人公は“等身大の女性”というビジュアルや言動でした。
Pecco:主人公はみなさんが共感できそうな女の子を目指しています。仕事終わりの自分にご褒美をあげる、本が好き、雑貨が好き、スキンケアはかかせない、健康のためにウォーキングする、癒しがある、など女性雑誌で見かけるテーマを全部詰め込みました。
――アンキロサウルスはゴツゴツ感がありながらも可愛らしさがあるデザインでしたね。
Pecco:実際はもっとトゲトゲしているかもしれないのですが、あえてそこは頭や背中の角を丸みのあるデザインにして触りたくなるような姿を目指しました。恐竜の座り姿、寝る姿を図鑑から想像するのは大変でしたが、「こんな感じで座っていたり、寝転んでいたりしていたら可愛いかも!」と妄想を駆使してなんとか絞り出しました(笑)。
「大人も楽しめる恐竜の世界が広がってほしい」
――恐竜という現代ではありえない生き物が登場するにもかかわらず、アンキロサウルスは日常にとても馴染んでいました。
Pecco:上手く日常に溶け込ませるため、恐竜と住む家の相性は特に意識しました。アンキロサウルスは背が低く全長が長い恐竜なので、「長屋に住めそうかな」「長屋は土間玄関があるから全部土間にして、半分屋外にしたほうが恐竜のためになるな」「水回りは3点式にしてアンキロサウルスを丸洗いできる空間にしよう」と楽しく描きました。改めて「建築を学んで良かった」と思います。
――家で言うと、調理器具なども細かく描いていましたね。
Pecco:もともと人の暮らしを覗くことが好きで、ファッション雑誌のインテリア特集やお気に入り雑貨の特別号、興味あるインテリア書籍は必ず買っています。また、建築・デザイナー家具・照明・プロダクトを見ることも好きなので、「この照明描きたい」「この空間にこういうキッチンカトラリーあると理想だな」と好きだけど作れない空間やモノを描くことで、何かを満たそうとしていたのかもしれません(笑)。
――今後も恐竜と人をテーマにした漫画を制作する予定ですか?
Pecco:もちろんです。つい先日に2作品目『プテラノドンと暮らすコンテナハウス』を投稿しました。今後『恐竜と暮らす』漫画をシリーズ化して毎月更新する予定ですので。楽しみに待ってもらえると嬉しいです。また、これは私自身の作品テーマなのですが、“大人も楽しめる恐竜の世界”がもっと広まってくれたらいいなと思っています。