ライターが選んだ「2023年コミックBEST3」島田一志編 藤田和日郎の傑作伝記アクション『黒博物館』が完結
19世紀の大英帝国を舞台にした伝奇アクションの傑作が完結
第3位の『黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ』(藤田和日郎)は、2023年に始まった作品ではなく、完結した作品。昨年のランキングで1位に選んだ作品でもあるので、今回ここでまたその名を挙げるのはどうかとも思ったが、やはり良いものは良いので、選ばせてもらった。
物語のクライマックス――ヴィクトリア女王を護るために、6人の刺客をたった1人で返り討ちにしたヒロイン、エルシィの戦いも圧巻だったが、そのエルシィの相棒、メアリー・シェリー(小説『フランケンシュタイン』の作者だ)がエピローグで見せた、自らの心に棲む「怪物」との折り合いのつけ方も天晴であった。
なお、『黒博物館』については、2ndシリーズ『ゴーストアンドレディ』が、2024年5月、劇団四季によりミュージカル化されるので(ミュージカル版のタイトルは『ゴースト&レディ』)、そちらもぜひ注目されたい。