『美味しんぼ』岡星精一、尾沢はる、中川……主要料理人たちの年収は?

 『美味しんぼ』には様々な料理人が登場し、腕を披露してきた。その出来栄えは素晴らしく、漫画だけではなく現実世界でも再現され、高い評価を得ている。

  そんな『美味しんぼ』の料理人だが、「どのくらい稼いでいるのか」については、全く触れられていない。そこで今回は『美味しんぼ』に登場した主要料理人の年収を検証してみたい。

尾沢はる 年収400~500万程度

  結婚した山岡士郎と栗田ゆう子が新居とした東京都中央区月島の賃貸マンション1階に小料理屋「はる」を営む尾沢はる。非常に真面目で優しい人物で、山岡と栗田の良き相談相手になることも。真面目すぎるがゆえにうつ病になってしまったこともあった。

  料理屋「はる」は尾沢はる以外の従業員はいない様子。また、「はる」の入っている物件の大家は後の夫となる尾沢平助が所有していることから、無料または格安で借りているようだ。

  小料理屋「はる」はテレビでも取り上げられており、地名度もある模様。また、料理も味にうるさい山岡が絶賛していることを考えると、相当の高いレベルだ。一方で尾沢はるが利益を重視していないこと、夫が不動産を複数所有し家賃収入を得ていることを考えると、そこまで稼ぐ必要もない。以上のことから尾沢はるの年収は400~500万程度だと思われる。

岡星精一 年収1000万程度

  銀座で料亭「岡星」を営む岡星精一。作品内では山岡と栗田が見せに行くと客の姿がいないことから、「儲かっていないのではないか」と噂されるが、一定の収入がないと銀座の一等地で店を続けることはできないはず。完全予約制となっている可能性や、山岡たちが営業時間外に訪れている可能性もある。

  実際のところ作品中に金銭のやり取りをする場面がないことから、売上額は不明だ。しかし名の通った店で高級食材を難なく集めて料理にしている、冬美や田山勇一をなんのためらいもなく雇っていることを考えると、それなりの収入は得ているようである。

  有名店であることや、山岡を通じて京極万太郎など大物が贔屓にしていることを考慮すると、1000万程度の年収があっても不思議ではない。

中川 年収1000万~1億円程度

 『美食倶楽部』で調理主任を務める中川。海原雄山が最も信頼する側近であり、山岡士郎に料理のいろはを叩き込んだ人物でもある。雄山が出かける際にはほぼ必ずと言っていいほど同行していた。

  雄山が主宰する料亭・美食倶楽部は政財界の大物が利用する店で、会員制。会員になるには審査が必要で、高額な登録料も支払う必要がある。美食倶楽部は銀座の一等地に店を構え、多くの料理人や仲居を抱えているだけに人件費や維持費、さらには設備費など、相当な出費があるはずだが、それでもかなりの利益を得ているものとみられる。

  大料亭の調理主任を務め、雄山のマネージャー的な存在にもなっている中川。彼のリーダーシップは部下にも大変に慕われているうえ、妻であるオチヨも雄山の世話担当であり、美食倶楽部にとって欠かせない存在である。

  以上のことから、中川は雄山にとって「辞められたら困る」存在。少なくとも1000万~1億円程度の収入を得ている可能性がある。

北尾夏子 年収400万~500万程度

  築地の寿司屋「寿司とも」で職人を務める北尾夏子。父の死後、1人で店を守り、当初は江戸弁で魚屋や客にブチ切れるなど、かなり気性の荒い性格で「女性なのに」と言われることを極端に嫌っていた。

  しかし山岡と来店した歌舞伎役者の吉川清右衛門から苦言を呈されたことで考えを改め、女性であることを活かした寿司職人に生まれ変わった。

  寿司職人の年収にはばらつきがあるため一概には言えないが、400万~500万程度の稼ぎになるものと思われる。

  物語のスタートがバブル時代ということもあり、羽振りの良いキャラクターが多かった印象のある『美味しんぼ』。料理の実力があれば儲かるという構図になっていた感があるが、現実では必ずしもそうではない。

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