【ライトノベル最新動向】転スラ、薬屋のひとりごと、アニメ放送で注目度アップ 話題作が続々ランクイン

 11月1日に完全新作アニメーション『転生したらスライムだった件 コリウスの夢』が全3話で一挙配信となる『転生したらスライムだった件』。テレビアニメ第2期のBlu-rayに原作者の伏瀬が寄せた書き下ろし小説をもとに、灼熱の陽光が降り注ぐ砂漠の国でリムルと仲間たちのスパイ作戦が繰り広げられる。

 テレビアニメの第3期も2024年春に放送が決まっていて、原作小説の発表から10周年を記念したプロジェクトは着々と進行中。そうした最中の10月30日に発売となる最新刊『転生したらスライムだった件21』(GCノベルズ)が、楽天ブックスのライトノベル週間ランキング(10月9日-15日)で1位となった。主人公のリムル消滅を受けた魔国連邦で、ベニマルたちが天使軍団に立ち向かう激闘を楽しめそうだ。

 2位は日向夏『薬屋のひとりごと14』(ヒーロー文庫)で、西都から帰還した猫猫や壬氏、そして猫猫の父親の羅漢らの周囲で皇后派と皇太后派に別れた軍部が諍いを繰り広げる。どうやら裏に事態を操っている人物がいるらしい。その人物が今後の展開に関わってきそうで、猫猫と壬氏の幸せな関係にはまだまだ向かいそうにない。

 『薬屋のひとりごと』は、待望のテレビアニメが10月31日から日本テレビ系で放送スタート。初回で3話までを一挙に見せるサービスぶりで、『葬送のフリーレン』を4話まで、金曜ロードショー枠で一挙放送した日本テレビのアニメに対する力の入れようをうかがえる。アニメ版『薬屋のひとりごと』は物語当初のどこか怪しげな壬氏の振る舞いが、大塚剛央のイケボで見聞きできて引きつけられる。コミカルな中に後宮という場所の複雑さも伺え、改めてシリーズの立ち位置を確認できる。放送後はランキングによくある既刊の一挙ランクインも起こりそうだ。

 ランキング3位は、12月8日発売予定の佐島勤『続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(7)』(電撃文庫)。国立魔法大学に進学しつつ力の弱い魔法士を救済する組織を立ち上げた司波達也が、先史文明の遺跡を追ってシャンバラを見つけて帰国した後、再び出国しようとするものの四葉家の当主、真夜が許可を出そうとしない。どのような事情があるのか。そして達也の決断は。最強の"お兄様"の戦いぶりに注目だ。

 2年生編もいよいよ最後の学期を迎える衣笠彰梧『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編10』(MF文庫J)が4位。坂柳有栖が率いるAクラスで坂柳を支える鬼頭隼と山村美紀が表紙を飾っており、1位クラス以外はポイントが減少する「生存と脱落の特別試験」に臨む綾小路清隆らの前に立ちふさがりそう。清隆にも勝る天才の坂柳が、配下を使ってどのような手段を繰り出してくるかが見物だ。

 5位は、大森藤ノによる『ダンまち』シリーズ13カ月連続刊行の最後を飾る『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー2』(GA文庫)。途中に挟んだ本編『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか18』で、フレイヤ・ファミリアとヘスティア・ファミリアが激突する戦争遊戯(ウォーゲーム)の最中に起こった衝撃的な出来事の裏で、どのようなやりとりが行われているかが明かされる。ベル・クラネルを取り巻く美少女たちの中で、存在感を急激に高めているリュー・リオンの心情に深く迫れるスピンオフだ。

 『ダンまち』シリーズは、本編最新刊となる『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか19』(GA文庫)も8位にランクイン。こちらは、ベルが憧れるアイズ・ヴァレンシュタインが所属するロキ・ファミリアを中心に描く『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア13』に描かれた、レフィーヤの「学区」訪問と同時期に起こっていたベルのちょっとした冒険が描かれる。壮絶な戦いをくぐり抜けてグッと近づいたベルとリューの関係にも触れられる。

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