【ライトノベル最新動向】「ブギーポップ」4年ぶり新刊に注目! 「ダンまち」「ウィザーズ・ブレイン」も登場の9月ライトノベル

 “不気味な泡”が帰ってくる。9月のライトノベルでは、上遠野浩平による「ブギーポップ」シリーズ4年ぶりの新刊となる『ブギーポップは呪われる』が電撃文庫から9月8日に発売。県立深陽学園で「この学校は呪われている」といった奇妙な噂が流行し、統和機構も炎の魔女も及ばない呪詛が繰り出されるというホラーテイストの展開が予告されている。

 1998年発売の『ブギーポップは笑わない』から始まるシリーズは、「僕は、自動的なんだよ」というクールなセリフとともに現れ、街や学校に起こる異変を沈めていくブギーポップの特異なヒーロー像に心を惹かれ、異能力が発動し宇宙人が謀略を巡らせる中で日常から非日常へと引きずり込まれていく少女や少年に親近感を覚えた人たちから、圧倒的な支持を集めた。冒険ファンタジーや伝奇アクションが中心にあったライトノベルへの印象を変え、電撃文庫躍進の原動力にもなった。

 それから四半世紀が経って、続々とベストセラーとなるライトノベルのシリーズが登場した今も、こうして続いている「ブギーポップ」シリーズが令和の時代に新しいファンを獲得して、人気の輪を広げていけるのか。刊行後の反応が気になるところだ。

 電撃文庫から、2001年に始まった三枝零一による「ウィザーズ・ブレイン」シリーズの完結編となる『ウィザーズ・ブレインX 光の空』が9月8日に登場。凍り付いた地球で生き残りをかけて人類と《魔法士》との激突が続く中、第3の道を探り拓こうとする天樹錬の行動に全世界から注目が集まる。世界はどこに帰結するのか? 答えは間もなく示される。

 こちらも10年続くシリーズの最新刊。9月15日にGA文庫から刊行の『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか19』は、主人公のベル・クラネルを自分のものにしたい女神フレイヤの思いから始まった、フレイヤ・ファミリアとヘスティア・ファミリアとの戦争遊戯(ウォー・ゲーム)が決着し、ヘスティア・ファミリアが勝利した後のストーリーとなる。ベル・クラネルが想い続けるアイズ・ヴァレンシュタインを主人公にした『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア13』で少しだけ触れられた、「学区」と呼ばれる教育機関を舞台にしたベル・クラネルの活躍が描かれそうだ。

 TVアニメ化で人気に火がついたシリーズの最新刊で、佐伯さんによる『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件8.5』は9月15日にGA文庫から登場。TVアニメの新シリーズが待たれる長月達平『Re:ゼロから始める異世界生活35』も、MF文庫Jから9月25日に発売となって、シリーズを楽しんでいるファンに応える。

 TVアニメ化済みのシリーズではまた、GCノベルズから9月29日に棚架ユウ『転生したら剣でした 16』が発売。魔術学院での一件を終えたフランと師匠が、Sランク冒険者のデミトリスに親書を渡す依頼を受けて旅を続ける中で、フランと同じ黒猫族のクーネという女性に出会う。

 これからTVアニメ化される作品では、燦々SUN『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん7』が9月1日にスニーカー文庫から刊行。体育祭でのアーリャさんの“ロシデレ”ぶりを味わえそうだ。

 ラブコメ人気は依然として根強く、各社から新シリーズが登場する予定。スニーカー文庫から9月1日刊行の藍月要『見た目は地雷系の世話焼き女子高生を甘やかしたら?』は、踏めばヤバい地雷系のファッションを身に着けながらも実は世話焼きという女子高生と付き合うことになった主人公に何が起こるかに興味を惹かれる。9月20日にファンタジア文庫から登場の波瀾紡『クラスのプライド高めなお嬢様。家では俺のメイド』は、タイトルそのままにメイドとなったお嬢様との関係がどう推移するかが気にかかる。

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