【漫画】メキメキ伸びる子の特徴とは? SNSに投稿された鋭い漫画に大反響

ーー本作はX(前Twitter)で大きな反響を呼んでいます。今回の反響の感想を教えてください。

夏目にーに(以下、夏目):正直、あんなに投稿が伸びるとは想像しておらず、今回の投稿をきっかけにフォロワーもたくさん増え、とても驚きました。

 また「(美術とは異なる)自分の業種でも同じようなことが言えますね」というコメントが多かったことが印象に残っています。いつも読んだ人が嫌な思いをしないよう注意しながら制作しているのですが、本作はポジティブなコメントが多く寄せられたこともよかったです。

ーー本作を創作したきっかけは?

夏目:本作は現在の私が教卓に立つなかで目にしている、とある生徒から着想を得ています。その子は私が言った言葉から、私の言葉以上のことを受け取り、発展させながら作品を表現し、現にコンクールでもいい成績を残していました。過去に出会った生徒も思い返すなかで、その子たちのような「伸びる人」には特徴があるのかと思い、本作を創作しました。

ーー本作では「伸びる人」は「怪獣」として表現されていました。

夏目:指導者と生徒にはそれぞれの相性があるため、生徒によっては好きな先生も、嫌いな先生もいると思っています。ただ伸びる子たちを見ていると、どんな先生の話も受け入れ、自分の栄養にしていると感じられます。そんな子たちを漫画で表現しようかと考え、すべてを栄養にするところから「怪獣」を想起しました。

 一見すると、人の話を受け入れ成長する子は「怪獣」とは異なる大人しいイメージがありますが、メキメキと大きくなりそうだなという期待も込めて、その子たちを怪獣として表現しました。

ーー本作の最後には「怪獣」になれない人の視点も描かれました。

夏目:誰もが本作のような「怪獣」になれるわけではなく、自分の大切なものを守りたい人もいます。むしろ後者の方が多いかと思うので、自分の大切なものを守りたい人のことも描き、より多くの読者に安心していただきたいと思いながら最後の1ページを描きました。

 実は、当初は「伸びない生徒の特徴」を想定しながら本作を創作していました。ただポジティブな作品にしたいと思い、その名残が作品の随所に残っているかと思います。

ーー本作の投稿には“単に聞き分けの良い子ではなく、強烈な自己主張と人の話が聞ける謙虚さが共存している人ってのが強いし伸びる。”という夏目さんの言葉が添えられていました。

夏目:人の話をしっかり聞いて、受け入れることができている人は少ないと感じています。ただ伸びる子たちや成功している人を見ると、人の話を聞こうとする姿勢があると感じていて。そんな人たちに共通する、人の話を聞き受け入れるために自分をいったんゼロにできることが強さなのだと思います。そのことを作者の私ができているか、怪しいですが……。

 本作のような作品は、私が実践している内容とともに、私自身がこういう先生になりたいという願望も漫画として表現しています。私は作中に登場する先生のように、ズバズバと物事を言う先生ではないです。

ーー夏目さんのX(前Twitter)アカウントには1万人を超えるフォロワーがいます。フォロワーが増えた要因は?

夏目:今までの反響を見ていく中で、私の作品を読みたい人は「向上したい方」が多いと感じています。私のアカウントには読むとなにか成長できるような作品を、無料で、5分ほどで読める短い作品に需要がある。そのように考えながら本作のような作品を投稿し続けてきた結果、気づいたらフォロワーが増えていました。

 今回は大きな反響をいただくことができましたが、次も同じような反響があるかはわかりません。昨年は継続的に投稿していても、あまり反響はありませんでした。以前よりは反響が大きくなっているので、数カ月に1度ほど大きな反響を呼べる作品を描ければと思っています。

 ただネタが尽き、反響もなくなったら、いったん筆を置こうと考えています。みなさんの反響のおかげで、今があると思っています。

ーー今後の活動について教えてください。

夏目:教師としての活動と、画家としての創作、たまに漫画を描く。この3つをこれからも続けていきたいです。

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