注目されるタロット・カード、起源を解き明かす本がW刊行 その歴史と思想に迫る
タロット・カードの起源を解き明かす本2冊が刊行される。現存する最古のタロット「ヴィスコンティ・タロット」を紹介する『ヴィスコンティ・タロット~600年前に描かれた「思想」と「教訓」~』、15~16世紀初頭のフィレンツェで生まれた「ミンキアーテ・タロット」に迫る『ミンキアーテ・タロット〜メディチ家に捧げたタロット〜』だ。当時の人々の「智L’Intelligenza」を解き明かし、その思想に迫る。
占いのカードとしての印象が強い「タロットカード」だが、もともとは占いのカードではなく、イタリアの貴族の遊びの道具として重宝されていた。『ヴィスコンティ・タロット~600年前に描かれた「思想」と「教訓」~』は、著者が長年のわたり現地イタリアで集めた資料や図版ならびに文献をもとに、その起源を探求する旅ともいえる。
著者は「はじめに」でタロットの「1400 年代の流行を、現存する絵画や写本、文献などから探り、当時の人々の「智L’Intelligenza」に迫ってみましょう。そしてその「智L’Intelligenza」を知ることにより、タロットカードに描かれた絵の意味を明らかにしたいと思います。」としている。
また「Minchiateミンキアーテ」というタロットをご存知だろうか。1400年代の終わりから1500年代の初めごろに、イタリアのフィレンツェで考案された遊戯用のカードだ。厳密にいうと「作り替えられた」遊戯用のカード。
「Minchiate ミンキアーテ」の最大の特徴は、一般的なタロットの大アルカナと呼ばれている22枚の絵札が、41枚もあることだ。そこには、それまでのタロットにはない対神徳のカード、四元素のカード、12星座のカードが含まれ、特に12星座のカードは星座の順番が通常とは異なる。
なぜ、このようなかたちになったのか、そもそもミンキアーテが生まれた理由とは何か?『ミンキアーテ・タロット〜メディチ家に捧げたタロット〜』では、著者が自らイタリア現地で取材した豊富な図版や資料、タロットが制作された当時の文献や歴史からその真実を解き明かしていく。
イタリアルネサンス期の作品には「描かれた言葉」が多く含まれており、そこには当時の賢人たちが思い描いた「教え」や「教訓」が描かれている。ミンキアーテは500年前に描かれた言葉(人生哲学)を現代に伝えようとしているのだ。
■著者プロフィール
香月ひかる
1971年、東京生まれ。AEAJ 認定アロマセラピスト・インストラクター。食品会社の研究室勤務、カフェ運営など多岐に渡る経験や占星学、タロットの知識を活かして、愉しく、実生活で役に立つハーブやアロマテラピー、タロットのレッスンを行なっている。著書に『アロマと月の占星学』(文芸社) 『ミンキアーテ・タロット〜メディチ家に捧げたタロット〜』『ヴィスコンティ・タロット~600年前に描かれた「思想」と「教訓」~』(説話社)