『チェンソーマン』デンジはなぜモテる? ファンを虜にする3つの理由
ときに見せる紳士的な行動
幼く見えるデンジであるが、第1部と比較し第2部では、とくにアサと行動を共にするシーンでは彼の紳士的な行動が増えたと感じる。
前述したアサとの水族館デートの最中、二人は悪魔の能力によって水族館に閉じ込められてしまう。大事な場面で失敗することが多く、水の張られた水槽の中で体育座りをしながら「だから私はつまらない人間なんだ……」と嘆くアサを目にしたデンジ。するとデンジは「なに一人でブツブツ言ってたんだ?」と話しながら、アサと同じく水槽の中で腰を下ろし水に浸かった。
そのあと協力しながら二人は無事に水族館から脱出する。脱出する最中に「(水族館から)出れたらデンジのお願いなんでも聞くから!!」と話したアサに、デンジは「じゃ/また俺とデートして」とお願いした。
野暮かもしれないが、このときデンジはアサに対し性的な行為をお願いすることもできたかもしれない。しかし再びデートをしてほしいというお願いはデンジ自身のことだけを考えたお願いではなく、アサのことも気遣ったお願いであったと感じる。現にこの直後アサと脳を共有するヨルはデンジのことをちょっと好きになったことを明かしていた。
自分の欲求を素直に表現しつつ、ふいに見せる他者への気遣い。このギャップはデンジのもつ対照的な顔の魅力を互いに高めるものであろう。とくにデンジの紳士的な振る舞いは、幼いデンジの一面を知る者にとってギャップ萌えのような現象を生む行為であるはずだ。
本能的に従い行動しつつ、ときに見られる無邪気な子どもらしさ。そして子どもらしさとは対照的な他者への気遣いができる紳士らしさによるギャップーー。とくにアサと過ごす日々のなかで前述したデンジの姿がまんべんなく見られるからこそ、第2部ではTwitterで「デンジくん」がトレンド入りするほどにデンジの人気が高まっているのかもしれない。