『静かなるドン』11年ぶりの連載開始は異例ずくめ 集英社と実業之日本社はなぜタッグを組めた?

 新田たつおの漫画『静かなるドン』の最新シリーズ『静かなるドン-もうひとつの最終章-』が、2023年5月17日(水)発売の「グランドジャンプ」(集英社)12号から連載開始することが明らかになった。

 『静かなるドン』は「週刊漫画サンデー」(実業之日本社)で1988年から2012年まで連載され、累計発行部数約4,600万部、単行本全108巻を刊行する人気作品。昼はサラリーマン、夜は関東最大の暴力団・新鮮組の三代目総長の近藤静也が、この世からヤクザをなくすという理想を胸に、奮闘する必笑の任侠コメディだ。

 連載終了後10年が経っても人気は不変であり、さらに近年は電子版が爆発的なヒットとなって若い世代からも支持を集めている。

 その続編にあたる『静かなるドン-もうひとつの最終章-』は、連載は「グランドジャンプ」編集部が担当するものの、単行本は実業之日本社から発行される。電子版については、実業之日本社、集英社がともに配信する予定だ。出版社の垣根を越えて両社が新田たつおの最新作を支えていくという、漫画業界ではこれまでになかった新しい取り組みでもあり、注目を集めそうだ。

 なお、今回の「グランドジャンプ」での連載のきっかけは、山下和美のエッセイ漫画『世田谷イチ古い洋館の家主になる』が縁になっているという。山下が豪徳寺で取り組んでいる、現存する世田谷最古の明治の洋館・旧尾崎邸の保存運動に新田たつおと妻の笹生那実が協力。そんなつながりで、山下の『世田谷イチ古い洋館の家主になる』には、なんと『静かなるドン』のキャラクターがゲスト出演する回が存在する。最新刊の3巻にも掲載されているので、未読の人はぜひこの機会に読んでいただきたい。

 また、山下と笹生が実施する旧尾崎邸保存に向けたクラウドファンディングでは、リターンに「新田たつお・山下和美イラストクリアファイル」などの異色コラボのグッズもあるので要注目だ。リアルサウンドブックでは過去に山下和美と笹生那実のインタビューを実施している。そちらも合わせて読んでいただきたい。

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©新田たつお

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